


日本薬学会雑誌 Vol.138 No.5 P.601~605
「医師・看護師・薬剤師の連携による地域医療の質の向上 〜忘れがちな障害、爪白癬の治療を通して〜」が、掲載されました。お世話になりました北里大学薬学部 鈴木貴子教授をはじめ、みなさまに感謝申し上げます。
「在宅患者の全身を管理する在宅医にとって、爪白癬は治療の対象外となってきた。爪白癬の治療は、抗真菌薬の内服が中心となるが、肝機能障害などの副作用があるため定期的な血液検査が必要である。さらに在宅医療における爪白癬患者は、全身状態が不安定で内服治療の対象とならないことが多い。
医療現場において、専門医の診療は初期治療に続き行われる医療行為である。爪白癬は皮膚科領域の疾患であるが、初期治療を在宅医が行う。在宅医は、医学研修で学んだ専門分野以外の領域についても、初期治療に対応する必要がある。爪白癬治療を通して、治療経過の記録方法、各職種間の認識状況の相違、医療行為に係わる負担の増減など、問題点が明らかとなった。
高齢社会を迎え、医療の形態が変わりつつある。これまで通院で行われてきた医療が在宅医療へ、専門医による治療から在宅医と訪問看護師と薬剤師によるチーム医療へ移行しつつある。高血圧症、高脂血症、心血管疾患などの生活習慣病を中心に、栄養管理、緩和ケアなど、多岐にわたる領域について、患者本人と家族へ医療を提供し続けている。これを支える医療スタッフとして、訪問看護師と薬剤師の役割は大きい。医師、看護師、薬剤師の知識と経験によるチーム医療が在宅医療を支えることが重要である。
爪白癬の治療を通して、在宅患者の生活スタイルを改善することが可能であると考えられた。」