コラム
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第69回 日本東洋医学会学術総会

2018(平成30)年6月9日(土)第69回日本東洋医学会学術総会参加させていただきました。ありがとうございました。

10:20~11:10 一般演題 座長

12:00~13:00 E-Learning 会議 出席

16:30~18:30 シンポジウム8 演者

「外科領域における漢方医学は外科手術に関わる領域だけではなく、がん診療についても求められる。がん患者が日本人の2人に1人が罹患することから国民病とも言われるようになった中で、がんの三大治療法、特に薬物療法の進歩が注目されている。がん患者の予後を改善するためには多種類の薬剤を使ったがん化学療法が必要となる反面、抗がん剤による副作用対策も重要となる。西洋医学で対応が困難な副作用の軽減目的に漢方医学を行い、漢方薬による治療が臨床現場で行われている。

西洋医学で治療効果が期待できないがん化学療法の副作用に対して漢方薬による治療が行われている。アンケート調査によるとがん患者へ漢方薬を処方したことがある医師は90%以上である。また、消化器がん患者の術後腸閉塞を予防する内服薬として大建中湯がクリティカルパスに組み込まれることで得られる利益は、多くの外科医にとって常識的な事実である。

大腸癌患者を対象としたがん化学療法による末梢神経障害予防効果を期待した牛車腎気丸の臨床研究(GENIUS試験)は、プラセボと比較し末梢神経障害発生率が高いため、中止となった。問題点としてGENIUS試験で、牛車腎気丸の体内動態を考慮したがん化学療法とのタイミングが加味されていなかったからと考えられる。

外科小手術や周術期管理に漢方医学が活用されている中で今後、医学部、歯学部、薬学部、看護学部での外科の卒前教育で漢方医学教育が行われる必要があり、医師、歯科医師に対する漢方医学の理論の教育、薬剤師に対する漢方薬の基礎知識、看護師に対する漢方医学の診断学などを中心とした卒後教育の充実も必須である。また、漢方医学の専門医によるチーム医療を構築する仕組みも必要となる。外科診療の臨床で得られた知見を基礎研究者と情報交換を行うことで患者に対する漢方医学は、基礎的研究を踏まえてさらに広がっていくと考えられる。」