がん漢方

『漢方 保険診療』 漢方薬は保険適応です。

  • 日本がん治療認定医機構 暫定教育医、認定医
  • 日本東洋医学会 指導医、専門医
  • 日本外科学会 専門医、認定医
  • 日本癌治療学会 会員
  • 日本緩和医療学会 会員
  • 日本消化器病学会 専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 専門医、指導医
  • 日本胸部外科 認定医
  • 日本医師会認定 産業医

*当クリニックは、患者さんの待ち時間を短縮し適切な医療を提供するために、

 予 約 制  をとらせていただいております。ご理解の程、宜しくお願いします。

がんのセカンドオピニオンを希望される方へ

当クリニックでは、がんセンターや大学病院などのがん拠点病院で治療を受けている方やご家族から、がんのセカンドオピニオンを希望される方に、西洋医学と漢方医学、補完代替医療、栄養療法など、について相談を受けております。

これまで、「がんと診断されたが、どうしたら良いのか」「本当に、いまの病院で良いのか」「治療方針が自分では決められない」「主治医の説明がうまく理解できない」といった医学に係わる疑問や難しさについての相談から、「化学療法の副作用がつらい」「手術後の体調管理ができない」「放射線治療の影響がでているが、対応策がない」などの治療に伴う症状の相談など、多くの方から、相談依頼をいただきました。

また、「西洋医学の治療法が、なくなってしまった」「漢方医学の治療を希望するが、どうしたら良いのか」「緩和ケアをすすめられたが、何か方法はないのか」「自費の薬を使っているが、高額で経済的負担も大きい」といった相談も大変多くいただいております。

現在の治療に疑問や不安を持っている方やご家族の方で、「がんのセカンドオピニオン」を希望される方は、電話 03-6432-4976 にて予約をお願いします。

「がんのセカンドオピニオン」

がんのセカンドオピニオンを希望される方は、事前に予約 ☎ 03-6432-4976 をお願いします。

相談を希望される方は、医師が直接、お話しをお伺いします。

相談したいことを 簡単にまとめておかれることをオススメします。

・ 病気について、相談したい

・ 自分の受けている治療について、相談したい

・ 漢方治療について、相談したい

・ 体調管理の方法や食事療法について、相談したい

・ 家族として、どうすればいいのか、相談したい

*お持ちの資料(医師からの説明、検査結果、画像診断など)は、必ずお持ちください。

相談料(自費)

30 分以内のご相談 10,000円(税別)

30分を超える場合、30 分毎に加算 10,000円(税別)

はじめに

 日本人の2人に1人が、がんにかかる時代になりました。さらに、日本人が生涯にがんで死亡する確率は、男性26%(4人に1人)、女性16%(6人に1人)と言われています。まさに「がん」は生きていく上でかならず経験する病気の一つと考えてもよいかもしれません。しかし、現代医学の進歩により、がんにかかっても、助かるようになりました。がん全体の5年生存率は、58.6 % になっています。

 現在多くの医療機関で行われているがん治療は、マニュアルやガイドラインなどの決められた治療方針に基づいて行われます。現代医療では、各個人に合わせたオーダーメード医療を目指していますが、本当に満足できるその人のための医療を見つけることは、難しいのが現状です。当クリニックでは、がん専門医でもあり、漢方専門医である医師が、あなたのために、今あなたに出来ることを一緒に考えていきます。

 「がん漢方」という言葉は、平成24(2012)年に南山堂から本を出版する時に、考えついた造語です。 がん領域で漢方薬を積極的に使う医師は少ないにもかかわらず、実際には多くの医師が漢方薬を処方しているという研究結果から、安全で安心して漢方薬が活用されることを期待して、「がん漢方」を世に送り出しました。

 がん患者の実態調査で は、がんによる症状や治療に伴う副作用・後遺症に関する悩みのうち、しびれ(末梢神経障害)や外見の変化(爪・皮膚障害、脱毛)をはじめとした薬物療法に関連した悩みの割合が 顕著に増加しています(2003年 19.2%→2013年 42.7%)。また、胃がん患者では胃切除術後の食事や体重減少、子宮がん患者ではリンパ浮腫 による症状に苦悩している者が多く、手術に関連した合併症や後遺症も大きな問題となっています。 一方、治療に伴う副作用・合併症・後遺症に対する予防とケア(支持療法)については、日本では研究が少なく、実態も十分に把握できておらず、支持療法の開発と普及が課題となっ ています。

 わたしが「がん漢方」で行っているのは、がん治療による合併症・副作用・後遺症に対する予防とケアにとどまりません。がん漢方では「がんと共生」、つまり、がんと共に生きることも積極的に行っています。

「がん漢方」

 「がん漢方」は、西洋医学と漢方医学を融合した医療で、「頭のてっぺん から 足の先 まで」を合い言葉に心を込めた診療をさせていただきます。「がん」を治療することは、「ひと」を治療することです。決して漢方薬だけで「がん」は治りません。がんに対する攻めの治療と守りの治療を一緒に行うことが大切です。当クリニックでは、ひとりひとりに合った医療を一緒に考えていきます。

「がん漢方」南山堂

 悪性疾患は、耳鼻咽喉科領域(唾液腺癌、耳下腺癌、喉頭癌、舌癌など)、消化器領域(食道癌、胃癌、十二指腸癌、小腸癌、大腸癌、直腸癌など)、肝胆膵(肝臓癌、膵臓癌、胆嚢癌、胆管癌など)、呼吸器領域(肺癌、気管癌、胸腺癌など)、骨筋肉領域(骨肉腫、横紋筋肉腫など)、乳腺(乳癌など)、婦人科領域(子宮体癌、子宮頸癌、卵巣癌など)、前立腺(前立腺癌など)、泌尿器領域(腎癌、腎盂癌、尿管癌、膀胱癌、尿道癌、精巣癌など)、甲状腺(甲状腺癌など)、血液領域(白血病、悪性リンパ腫など)、その他(皮膚癌、脳腫瘍など)と多岐にわたります。

 クリニックには、毎年300名以上のがん患者さんが、初診でお見えになります。北は北海道から南は九州まで、遠路はるばる診察を希望されて足を運ばれます。もう治療の手立てがなくなった方、今受けている癌治療の苦痛を少しでも軽くしたい方、がんにこれから立ち向かおうとしている方、その悩みは様々です。中には数十年前に癌治療をお受けになったときの後遺症から逃れたいという方もいらっしゃいます。

 特に女性のがん患者さんは、乳癌や子宮癌、卵巣癌といった女性ホルモンに関係がある症状で苦労されている方です。年齢は20代から80代まで様々で、訴えも多岐にわたります。手術による後遺症、化学療法の副作用、ホルモン療法による体調の変化などにとどまらず、冷え症、肌の不調、脱毛、便通異常など、がんに関連しない体の不調も含めて相談に乗っています。

*当クリニックは、患者さんの待ち時間を短縮し適切な医療を提供するために、

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外科手術、化学療法、放射線治療などの治療を受けられた方でも受診できます。

 がんに対する三大治療法といえば、外科手術(腹腔鏡手術、内視鏡手術なども含みます)、薬物療法(がん化学療法など)、放射線治療(外照射、重粒子線など)です。最近では遺伝子治療やがんワクチンなど様々な治療法が行われるようになりました。医療が進歩すればするほどその治療に特化した専門医が治療を担当することになります。そのため患者さまが抱えているすべての不安には答えていくことは困難です。

 当クリニックでは良い方向へ導くことを目的に、患者さんが現在受けている医療を理解した上で漢方医学的な考え方を加え、病気だけを治すのではなく治療を進めていきます。すでに治療を受けている方はもちろん、これからがんの治療を受けられる方やこれまでにがん治療を受けたことがある方にもそれぞれに合った方法で、ひとつひとつ問題を解決していきます。

保険外漢方薬、サプリメント、ビタミン療法など補完代替療法をされている方にも。

 現在、がん患者の44.6%(Journal of Clinical Oncology 23;2645-54,2005)が、高額なお金を出し、保険外漢方薬、サプリメント、ビタミン療法などの補完代替療法に使われていらっしゃいます。しかし、その補完代替療法は、本当に大丈夫なのでしょうか?
 情報化社会となって、インターネットには沢山の「がん」に関する情報が散乱しています。どの情報を信じればいいのか?「がん」に関する情報の多くが「がんに効く」という言葉で保険外漢方薬、サプリメント、ビタミン療法など補完代替療法をすすめています。しかしそれは本当に医学的に確かな治療法とされているものでしょうか?現在受けている治療法と並行して摂取しても安全で安心な補完代替医療法でしょうか?
 当クリニックでは、患者さんが行っている補完代替療法について、がん専門医と一緒に考えていきます。

参考資料:

「がんの補完代替医療ガイドブック 第3版」

「がん補完代替医療ガイドライン 第1版」

病気について相談する人がいないなど、現在の治療に不安を抱えている方。

 検診で「がんの疑い」といわれたがどうすればいいのか判らない、病気について家族に相談することが出来ない、などがんに対する不安を抱えたままでいる方も多いと思います。

 私自身25年間、大学病院、地域の基幹病院などで外科医として医療に従事してきました。検査でがんを発見し、手術を行い、がん化学療法、放射線療法を組み立て、多くのがん治療を行ってきた経験から、患者さまに判りやすく診断、治療、緩和ケアなど、すべての問題について一緒に考え解決策を見つけていきます。「がん漢方外来」は、「保険診療」でおこないます。

 当クリニックの診療はすべて「保険診療」です。高額な医療費を請求することはありませんので、安心して受診することが可能です。また、がん拠点病院と必要な検査や各領域の専門医への相談などの連携を行っておりますのでご安心ください。

 これからがんの治療を受ける予定の方、現在、がん治療を受けている方、これまでにがん治療を受けたことがある方、それぞれに合った方法で、ひとつひとつ問題を解決していきます。

「がん漢方 外来」は、「保険診療」でおこないます。

 当クリニックの診療はすべて「保険診療」です。高額な医療費を請求することはありません ので、安心して受診することが可能です。また、がん拠点病院と必要な検査や各領域の専門医への相談などの連携を行っておりますのでご安心ください。

 これからがんの治療を受ける予定の方、現在、がん治療を受けている方、これまでにがん治療を受けたことがある方、それぞれに合った方法で、ひとつひとつ問題を解決していきます。

*当クリニックは、患者さんの待ち時間を短縮し適切な医療を提供するために、

 予 約 制  をとらせていただいております。ご理解の程、宜しくお願いします。

【参考資料】

症例から学ぶ実践がん漢方

具体的な症例の提示とともに漢方薬の使い方のコツを学べる動画です。(静止画による概要あり)
医師や薬剤師、看護師それぞれに役立つポイントを解説します。
出演
芝大門いまづクリニック 今津 嘉宏
聖路加国際病院 乳腺外科 尹 玲花

企画
株式会社協和企画

制作
株式会社BBプロモーション

第1回 食欲不振と六君子湯

症例:50代の女性。疾患は胃がん。
早期胃がんのため、ESDを施行。
低侵襲治療を選択したが、術後、食欲が低下。

治療薬として使うものとしては、イトプリド塩酸塩やスルピリドなどが一般的。その他にはNSTの介入による栄養管理、SGAを使ってODAで評価をするなど、栄養療法も大切。
■食欲不振に六君子湯

シスプラチンによる食欲不振に対する六君子湯の報告がある。

今回のように低侵襲のような症例でも食欲不振があれば六君子湯を選んでもよい。
「ESD施行後の消化器症状・胃運動機能評価、および六君子湯内服の有用性の検討」

この症例での投与期間
・2週間が目安

六君子湯の特徴
・消化管の運動機能を改善
・食欲を改善

六君子湯のメカニズム:グレリンに対する作用が注目されている
・グレリンの分泌を亢進
・グレリンのシグナルを活性化して食欲を増進

六君子湯の作用
(1)胃の貯留能、排出能を改善
(2)グレリンの分泌を亢進
(3)抗ストレス作用

西洋薬と比較した場合の強みは?
・一剤で「末梢」と「中枢」の両方に作用する

がん化学療法の副作用による食欲低下や、FDなどの機能性疾患、こういったものの治療にも効果が期待できる。
・悪性疾患、良性疾患、両方に活用することができる
六君子湯を使う上での注意点
・六君子湯には、甘草という生薬が含まれている。甘草により、低カリウム血症や偽アルドステロン症という副作用が現れることがあるため、注意が必要。

 

企画:株式会社協和企画
制作:株式会社BBプロモーション
この情報は収録当時(2013/6/22)のものを元にしています。

第2回 せん妄と抑肝散

症例:70代女性。疾患は子宮がん。
外科手術後、せん妄を発症。

【せん妄の治療法】
一般的には抗精神病薬をよく使用するが、ハロペリドールなど、錐体外路症状の副作用が出るため、術後にせん妄の出やすい高齢の患者には使いづらい。
 

 


【せん妄に抑肝散】
抑肝散は、小児の夜なき、疳症、神経過敏などによく使われていた。

最近では、術後のせん妄や、統合失調症などの精神疾患に応用されることが多い。
BPSDの関するメタアナリシスなど、エビデンスレベルの高い報告もある。

「高齢者の心臓大血管術後に起こるせん妄に対する抑肝散の効果」

「全人的治療を目指して緩和医療に漢方を用いる-抑肝散を中心に」

「あらためて抑肝散の臨床を語る」

 

 


【抑肝散の作用機序】
(1)グルタミン酸神経系を介した作用
(2)セロトニン神経系を介した作用

生薬成分
・甘草の成分がグルタミン酸に作用
・釣藤鈎の成分がセロトニンに作用

抑肝散の特徴
・速効性がある
・頓服として用いることもできる

「術後せん妄に対する治療薬として抑肝散の可能性に着目」      

 

 

【抑肝散を使う上での医師の注意点】
抗精神病薬と抑肝散のメリットとデメリットを把握する
・抑肝散は苦くて飲みづらい→抗精神病薬は静注がある
・抗精神病薬は錐体外路症状や嗜眠傾向などの副作用がある

【薬剤師のポイント】
・甘草の副作用をチェックする
・特に、利尿剤が配合されている降圧剤と抑肝散との併用には注意が必要

【看護師のポイント】
・術前から患者さんの状態を把握する
・家族にも症状を確認しておく
 「最近、物忘れが多い」
 「感情の起伏が激しい」など

 

企画:株式会社協和企画
制作:株式会社BBプロモーション
この情報は収録当時(2013/6/22)のものを元にしています。

第3回 こむら返りと芍薬甘草湯

症例は70代男性。疾患は肝臓がん。
C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎から肝硬変になった。
肝右葉に腫瘍性病変を認め、原発性肝細胞癌と診断。
ラジオ波焼灼術による治療後、現在は経過観察中。
最近、夜間にこむら返りがみられる。
                                             
 

 


【こむら返りに芍薬甘草湯】

「慢性肝疾患に伴うこむらがえりの頻度」

■ポイント
・芍薬甘草湯は痙攣と痙攣に伴う痛みに対して速効性がある
・基礎疾患によらず起こるこむら返りに頓服でも使える

「パクリタキセル誘発疼痛マウスモデルにおける芍薬甘草湯の基礎的検討」

「癌化学療法の副作用対策 筋肉痛,悪心・嘔吐」
 

 

【芍薬甘草湯の作用機序】

■ポイント
・芍薬甘草湯の生薬は、芍薬と甘草の2つのみ
・芍薬の主成分ペオニフロリンが、カルシウムの細胞内への流入を抑制
・甘草の主成分グリチルリチンが、カリウムを細胞外に排出することによって筋肉の収縮を弛緩し、痙攣と痛みをとる
・これらの作用は骨格筋にも平滑筋にも作用する

 

 

【芍薬甘草湯を使用する際の注意点】
・甘草の主成分グリチルリチンの副作用(主なものとしては、低カリウム血症、偽アルドステロン症など)を確認
・高齢者や電解質異常のある患者に対しては、併用薬にも注意
・同じ甘草成分を含有する漢方薬と西洋薬(利尿配合剤など)との併用で低カリウム血症が起きやすくなる。

【禁忌】次の患者には投与しないこと
・アルドステロン症の患者
・ミオパシーのある患者
・低カリウム血症のある患者

【看護師さんの注意点】
・芍薬甘草湯の副作用である下肢のむくみ、震えなどの症状をよくみておくと、かなり第一発見者になり得ることが多い
・血清カリウムの値にも注意する

 

企画:株式会社協和企画
制作:株式会社BBプロモーション
この情報は収録当時(2013/6/22)のものを元にしています。

第4回 TRPチャネルと大建中湯

症例:50代男性。疾患は前立腺がん。
開腹手術後、麻痺性イレウスを発症。

【イレウスの治療法】
術後のイレウスに対しては、イトプリド塩酸塩やメトクロプラミド、大建中湯、整腸薬を用いるが、中でも大建中湯は、麻痺性・単純性イレウスに使われる一般的な薬となっている。
 

 


【イレウスに大建中湯】
飲水開始のタイミングに合わせて内服することで、より早期に腸管の動きを改善することが可能になる。
最近では、炎症性の腸疾患や肝臓の術後の患者さんにもよく使われる。

「腹腔鏡下結腸直腸切除術後の外科的炎症反応に対する大建中湯の影響」

「肝癌切除術施行後の消化管機能異常に対する大建中湯の臨床効果」

「肝切除後の大建中湯の有益な効果:前向きランダム化比較試験」
 

 


【大建中湯の作用機序】
・アセチルコリンを介した腸管の運動の亢進作用
・TRPチャネルを介した腸管運動亢進、腸管血流増加、抗炎症作用


【TRPチャネル】
TRPチャネルは、温度や圧力のセンサーと言われている。
「温度感受性TRPチャネル」

「大建中湯は腸管の血流,運動を改善しい酸分泌を抑制する」

■ポイント
大建中湯はTRPチャネルを介した病態に作用する
・TRPA1を介して腸管血流を亢進する
・TRPV1を刺激して消化管運動を亢進する
・TRPV1は胃粘膜血流を増大し、胃酸分泌を抑制する
 



【大建中湯の薬物動態】
大建中湯に含まれている成分が約30分以内に吸収されることが明らかになった。


【大建中湯を使う際の注意点】
・副作用発生頻度
大建中湯の副作用発現頻度は1.9%。中には、間質性肺炎、肝機能障害、黄疸などの報告もあり、注意が必要。

・大建中湯の投与をやめるタイミング
投与目的を決めて、症状が落ち着けば投与をやめる


【薬剤師のポイント】
・α(アルファ)-グルコシダーゼ阻害剤と併用しない
糖尿病治療に用いるα(アルファ)-グルコシダーゼ阻害剤も、おなかが張る、ガスが増えるという副作用があり、大建中湯と併用すると、この症状が強くなるという報告がある。

・投与量を確認する
大建中湯の一日の投与量は15gと多めだが、満量服用した方が、効果が確かに現れるという報告がある。
抜管から初回排便までの時間を、術後51~60包以上服薬できたサブグループとそれ以下で検討

下剤によるQOL低下患者による検討


【看護師のポイント】
・患者さんの状態をよくみる
特におなかの状態をよく観察して、大建中湯を使うとよい。
おなかが冷えて痛む。ガスが溜まって膨満感が強い。また、食後の胃もたれなど、排出遅延のある場合は、食直後の投与ではなく食前・食間投与が望ましい。
(食事の影響による吸収の悪化を防ぐため)

企画:株式会社協和企画
制作:株式会社BBプロモーション
この情報は収録当時(2013/6/22)のものを元にしています。

第5回 末梢神経障害と牛車腎気丸

症例:40代女性。疾患は乳がん。
術後化学療法のあと、末梢神経障害を発症。

【末梢神経障害の治療法】
化学療法の副作用である末梢神経障害に対する治療法として、ビタミン剤やSNRIなどがあるが、愁訴を十分に取り除くことはなかなか難しい。
 

 

【末梢神経障害に牛車腎気丸】
従来、牛車腎気丸は、高齢者が訴える症状(白内障、前立腺肥大に伴う排尿障害、腰痛、下肢のしびれなど)に対して使われていた。
 

 


【牛車腎気丸の作用機序】
・NOを介した末梢血流の改善作用
・κ(カッパ)オピオイド受容体を介した沈痛作用

「抗侵害受容(鎮痛)作用」

「牛車腎気丸はTRPV4,TRPM8,TRPV1を介して末梢神経障害,冷えを改善する」
 

 

【牛車腎気丸の臨床データ】
「乳癌におけるパクリタキセルの末梢神経障害への牛車腎気丸の応用 」

「婦人科悪性疾患におけるパクリタキセルの末梢神経障害への牛車腎気丸の応用」

「胃がん化学療法の末梢神経障害に対する牛車腎気丸の効果」

「胃癌化学療法による末梢神経障害に対する牛車腎気丸の治療成績」

「末梢神経障害と牛車腎気丸FOLFOX療法,パクリタキセルによる末梢神経障害の軽減」
 

 


【ブシの効果】
ブシが牛車腎気丸の強い効果の中心にある。

「がん化学療法に伴う末梢神経障害に対するTJ-107+ブシ末の効果」

「神経障害性疼痛に対するブシ末の薬理作用」
 

 

【薬剤師のポイント】
・ブシの副作用:心悸亢進、のぼせ、舌のしびれ、悪心など      
・副作用のモニタリングを行う
  少量を舐めてみて舌のしびれの程度を把握する
  のぼせの程度を初回服用後15~30分間観察する


 

 

【医師のポイント】
・ブシを追加するときには、0.5gを基本単位として、決められた量を上乗せしていく
 

 


【看護師のポイント】
・副作用の症状をしっかりモニタリングする
・症状を発見した場合、すぐに医師、薬剤師に相談し、チームとして対処する

 

企画:株式会社協和企画
制作:株式会社BBプロモーション
この情報は収録当時(2013/12/7)のものを元にしています。

第6回 全身倦怠感と十全大補湯

症例:60代男性。疾患は膵臓がん。
術後化学療法のあと、治療経過により体調が悪化。

【抗癌剤治療の一番の副作用は倦怠感・疲れ】
・抗癌剤治療を受けた患者さんが挙げた副作用のうち、もっとも多いものが倦怠感・疲れ

「抗がん剤治療における副作用の軽減」についての大規模患者調査」
 

 

【全身倦怠感に十全大補湯】
・PSゼロとは言えない状態に十全大補湯が効果的
・補剤といわれる漢方薬をPSの状態に合わせて使い分ける
・補剤を抗癌剤と併用して長期にわたって用いると、副作用を軽減する、延命効果を得られるという報告がある

 

 

【十全大補湯の臨床データ】
「十全大補湯による肝発癌抑制効果」

「卵巣癌治療における十全大補湯の長期予後に対する影響」     

「がん化学療法の支持療法における漢方診療の役割」

「婦人科がんの骨髄抑制効果」
 

 

【医師のポイント】
・補中益気湯(41)、十全大補湯(48)、人参養栄湯(108)の特徴を理解して使い分ける
 

 

【薬剤師のポイント】
・長期に使う薬の場合、特に副作用に注意をする必要がある
・漢方薬は複数の生薬を組み合わせたものであり、含まれている生薬によっておこる副作用が違うことを理解する
 

 

【看護師のポイント】
・患者さんのひとつひとつの愁訴を把握してPSの中に盛り込むことで、治療に結びつける

 

企画:株式会社協和企画
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この情報は収録当時(2013/12/7)のものを元にしています。

第7回 下痢と半夏瀉心湯

症例:60代女性。疾患は大腸癌。
イリノテカンによる化学療法の副作用として下痢がみられる。

【下痢には2種類ある】
イリノテカンを使った抗癌剤治療の副作用で起こる下痢には、早期性と遅発性の2種類ある。
 

 


【どちらの下痢にも半夏瀉心湯】
・半夏瀉心湯は、速効性があり、さらに持続性もある。
・早期性の下痢には、半夏瀉心湯に含まれるショウガとニンジンが作用して、腸管運動を調節。
・遅発性の下痢には、オウレンに含まれるバイカリンがβグルクロニダーゼを阻害して、腸管内での再抱合を阻害。

 

 

【半夏瀉心湯の臨床データ】
「塩酸イリノテカンの下痢に対するTJ-14のRCTによるエビデンス」

「イリノテカン療法におけるTJ-14の下痢予防効果」

「CPT-11による遅延性下痢に対する半夏瀉心湯の予防効果」

「半夏瀉心湯はドセタキセルによる重症下痢にも著効する」     
 

 

【医師のポイント】
・大建中湯と半夏瀉心湯の作用の違いを把握して使い分ける。    

 

 

【薬剤師のポイント】
・半夏瀉心湯に含まれるオウゴンという生薬の副作用として間質性肺炎に注意する。 ・間質性肺炎の初期症状は、発熱、空咳、動作時の息切れなど。

薬剤師向け「漢方薬学雑誌」明日から使える漢方実践服薬指導シリーズ27 半夏瀉心湯

「漢方ライブラリー「薬剤師のための漢方薬の副作用」監修:星野惠津夫先生」
 

 

【看護師のポイント】
・ブリストルスケールを使って、患者さんの便の性状を把握する
・少しでも下痢の傾向があれば、早期に半夏瀉心湯を使うとよい     

 

企画:株式会社協和企画
制作:株式会社BBプロモーション
この情報は収録当時(2013/12/7)のものを元にしています。

第8回 口内炎と半夏瀉心湯

症例:40代男性。疾患は下咽頭癌。
化学放射線療法の副作用として、粘膜障害がみられる。

【口内炎には2種類ある】
がん化学療法による口内炎は急性疾患。
放射線療法による口内炎は慢性疾患。
                                           
 

 


【どちらの口内炎にも半夏瀉心湯】
・半夏瀉心湯は口内炎の保険適応がある。
・半夏瀉心湯に含まれる6-ショーガオールやオウゴニンなどの成分がそれぞれ異なる作用で効果を発揮する。
・抗菌作用、抗炎症作用、活性酸素の抑制、細胞修復能の促進という多面的からのアプローチで口内炎を治すことができる。


「がん化学療法による口腔粘膜炎に対する半夏瀉心湯の治療メカニズム -マルチターゲット・エフェクト-」
 

 

【半夏瀉心湯の臨床データ】
「大腸がん化学療法に起因する口腔粘膜炎に対する半夏瀉心湯の有効性を検討する二重盲検無作為比較第Ⅱ相臨床試験(HANGESHA-C Study)」

「胃がん化学療法に起因する口腔粘膜炎に対する半夏瀉心湯の有効性」

「進行腎癌の分子標的療法による口腔粘膜炎に半夏瀉心湯を活用」

「CDDP・放射線併用療法による口腔粘膜炎に半夏瀉心湯を活用」
 

 

【医師のポイント】
・口内炎が出来ても約10日間で自然治癒してしまうため、問診で気が付きにくい。
・口内炎が抗癌剤の副作用だということを患者さん自身も自覚してない場合もある。
 

 

【看護師のポイント】
・患者さんが口内炎を訴えない場合があるため、口の中をモニタリングして、口腔内環境も含めたチェックを行う。
 

 



【薬剤師のポイント】
・局所での濃度が高ければ高いほど口内炎が早く治る。
・半夏瀉心湯をお湯等で溶いて口の中に含むと効果的。
・口内炎が痛む場合には、食事の10分前にうがいをすると、痛みが取れ、食事が十分に取れる。
・放射線治療による粘膜障害の場合には、食後にうがいをすると長時間粘膜に半夏瀉心湯が届き、粘膜障害を改善させる。

「大腸がん化学療法に起因する口腔粘膜炎に対する半夏瀉心湯の有効性」

「胃がん化学療法に起因する口腔粘膜炎に対する半夏瀉心湯の有効性」
・半夏瀉心湯と同じくオウゴンを含む小柴胡湯で間質性肺炎の副作用がみられた。
・間質性肺炎の初期症状に注意する。

漢方ライブラリー「薬剤師のための漢方薬の副作用」
監修:星野惠津夫先生

 

企画:株式会社協和企画
制作:株式会社BBプロモーション
この情報は収録当時(2013/12/7)のものを元にしています。