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« コラム 一覧へ戻る日本で古くから受け継がれてきた「甘酒」。冬に体を温めるという効果はご存じの方も多いと思いますが、栄養豊富なことから「飲む点滴」ともいわれ、江戸時代には夏バテ予防に夏の風物詩として親しまれていました。そんな甘酒の健康効果について、基礎知識や健康に役立てる上手な飲み方を、芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏さんにお聞きしました。
甘酒の製造法には、もち米を麹 で発酵させるものと、酒かすを使って発酵させるものの2種類があります。現在では、甘酒は清涼飲料水に分類され、子どもから妊婦まで誰でも気軽に飲める万能飲料として、さまざまな製品があります。
製造法からも分かるように、甘酒は発酵食品の一つです。日本人は伝統的に、納豆、味噌、漬物といった発酵食品をうまく食材として取り入れており、こうした発酵技術のおかげで海外とは違う独自の食文化が根付いてきました。
また、発酵には保存だけでなく健康面での利点もあります。必須アミノ酸や必須脂肪酸といった、人間が生きていくために欠かすことができない栄養素の中には体内ではつくれないものもあり、そうした栄養素は食べ物から取り入れる必要があります。食べ物を発酵させることで、うま味(アミノ酸など)やこうした栄養素を増やすことができます。さらに、発酵食品には腸内の環境を整えるという働きも期待できます。こうしたことからも、甘酒は「飲む点滴」と言われるゆえんです。
米麹でつくる甘酒は、もち米に含まれているでんぷん質を酵母菌によって発酵させて、栄養素を含ませます。米の栄養素に加えて、酵母菌の作用によりでんぷんが糖化され、甘い飲み物になります。アミノ酸などのうま味成分や微量のミネラルなどの成分もプラスされます。米の食物繊維は変わらず含まれ、酒かすでつくる甘酒よりも酵母は多くなります。
一方、酒かすでつくる甘酒は、日本酒を搾った後の“カス”が材料なので、糖質やアミノ酸の栄養素は少なめで、逆に食物繊維は多いのが特徴です。発酵させても糖分はあまり出ませんから、酒かすからつくった甘酒は後から砂糖を加えるのが一般的です。また、アルコール分は10%強残るといわれています。煮沸するとアルコールは飛んでしまうので子どもでも飲めるといわれていますが、それでも微量のアルコール分は残ります。
このように見てみると、甘酒の種類による違いは、食物繊維の豊富さ、アルコール分、あるいは実際に生きている酵母の量などの違いといえそうです。また、米麹でつくる甘酒は、日本酒と同様に、酵母の種類によって、味や香りのバラエティーが広がります。
いずれの種類でも、甘酒には糖質、脂質、アミノ酸、ミネラルなどが含まれ、バランスの取れた栄養源となります。ただし、甘酒のカロリーは100ml当たり200kcal以上あります。昔と違って高カロリーな食品が多い現代では、飲み過ぎればカロリー過多になる可能性もあるため、取り方には注意したいもの。
体調不良で食欲がないとき、あるいは忙しくて朝食を取る時間がないときなどに、甘酒を活用されるのも良いでしょう。
甘酒から取り入れた酵母菌は腸内の環境を整えるのにも役立ちます。近年、大腸に多くすみ着いている腸内細菌の研究が進むことによって、腸内細菌の状態が体調を左右するということが分かってきました。腸内環境に直接作用する方法の一つとして、発酵食品が注目され始めたのです。腸内の環境が良くなれば、代謝や免疫力のアップにもつながります。
米麹でつくる甘酒のほうが酵母菌の量は多いですが、酒かすでつくる甘酒は食物繊維が豊富です。どちらのタイプの甘酒でも、腸内環境の改善に効果が期待できます。自分にとって相性のいいものを選べば良いでしょう。
飲む量は1日に100〜200mlがいいようです。飲み過ぎるとカロリー過多になるので気をつけましょう。
60度以上になると酵母が死んでしまうので、温めたいときは沸騰させないくらいに加熱すると生きたまま酵母を取ることができます。常温、または冷やして飲むことをお薦めします。
バランスのいい手軽な栄養源となること、胃の働きが悪いときでもおなかに優しい食材として利用することができるので、朝、食欲がないときや忙しい人のエネルギーチャージとして役立ちます。
また、食事のバランスが偏りがちなビジネスパーソンの補食としてもお薦めです。昼食や夕食を外食やコンビニの弁当で済ませたりすることが増えると、どうしても食物繊維や発酵食品が不足しがち。そのときにヨーグルトや味噌汁を追加するのと同じような感覚で、飲み物に甘酒を選ぶのも良い方法です。
消化が良いので、夜は寝る前に甘酒を温めて飲めば、疲れた体にエネルギーを補給して疲れを取ることができますし、体も温まり、睡眠の質を良くすることも期待できます。特にストレスの多い受験生や激務をこなすビジネスパーソン、夏バテで食欲がなくなっているような人には、お薦めの飲み方です。清酒酵母(日本酒製造に使われ、酒かすにも含まれる)を取ると、アデノシンA2A受容体という脳内物質を活性化させ、睡眠の質を改善するという研究報告もあります。
腸内環境は個人によって違うため、甘酒も材料となる酵母菌によって相性があります。自分に合うものを見つけるには、最低1週間程度続けて飲んで、体調の変化を見てみます。
どちらの製造法が優れているとか、どの成分が良いということではなく、甘酒も発酵食品の一つと広く捉えることを心掛けましょう。最近では、家庭で甘酒がつくれるキットも市販されており、名酒の酒かすを使ったり、好みの酵母菌を選んだりして、さまざまな味や香りを楽しむこともできます。
ライフスタイルに合わせて甘酒を上手に取り入れ、疲れ知らずの体で、暑い季節を乗り越えましょう。
2017年5月23日 テレビ朝日「林修の今でしょ!講座 3時間スペシャル」
「男VS女 病気になりにくいのはどっち!?」の講師をさせていただきました。
「第10位 便秘」「胃もたれになりにくいのは?」「第1位 大腸がん」を解説させて頂きました。
果たして優れているのはどちらなのかを決定!最新研究で分かった新事実が続々!男性と女性で『脳』の違いによる男女差があったんです!「記憶力が良いのは?」「ダイエットに成功しやすいのは?」「味覚が優れているのは?」「色彩感覚が優れているのは?」「失敗しても気持ちの切り替えが早いのは?」「詐欺にかかりにくいのは?」
更に『名医が選んだ!知っておきたい男女差のある病気ランキング』病気のかかりにくさにも男女差があった!「片頭痛」「認知症」「がん」「脳卒中」「二日酔い」「脂肪肝」などこれらの病気や不調に関して、男性VS女性のどちらがかかりにくいのか大発表!!男女差の原因を知ることで、様々な病気に対する対処法がわかる!!
◇出演者
2017年5月17日(水)よる7:00〜
医療監修をさせていただきました。
担当:沖縄徳洲会 こくらクリニック院長 渡辺信幸
肉(Meat)・卵(Egg)・チーズ(Cheese)のMEC食を中心に食べるダイエット法。
たんぱく質を摂ることで筋肉をつけ、脂肪を落としていくことで、メリハリのついた体を目指せる。
★ 今回チャレンジした、肉食ダイエットの詳細
1日の食事の基本量
肉200g/卵3個/チーズ120g
炭水化物は食べずに、野菜は彩り程度に摂取する。
ポイントは、口に入れる食べ物は粒ガムサイズにカットし、しっかり30回噛んでから飲み込むこと。
小さく切りよく噛んで食べることで、早食い防止、少ない量でも満腹感が得られるようになる。
★停滞期に入った3人への渡辺医師からのアドバイス
『朝一番で、ブラックコーヒーに無塩バターをひとかけら(約10g)を入れて飲む』
バターに含まれる脂質が体内に入ると体温が上がり、その結果、代謝が上がり体脂肪を燃やしてくれる。
朝一番に飲むことで、脂肪を燃焼しやすい状態になる。
担当:HAL YAMASHITA 東京 エグゼクティブシェフ 山下春幸
日々の食事にもち麦を取り入れるダイエット法。もち麦には食物繊維が白米のおよそ25倍含まれており、糖質や脂質の吸収を抑え、腸内の善玉菌を増やし腸内環境の改善が期待できる。腸内環境を改善することで、痩せやすい体質に変わる。
もち麦に含まれるβグルカンという食物繊維が、便などを包み込み排出してくれるので便秘解消に効果が期待できる。
★ 今回チャレンジした、もち麦ダイエットの詳細
1日の食事内容
1日に摂取するもち麦は150g(炊くとお茶碗2杯分程)
総摂取カロリーは1500kcal以下
もち麦を含め、1日の総摂取カロリーは1500kcal以下に抑え、バランスのよい食事を摂る。
★超簡単もち麦メニュー 『もち麦粥』
1日のうち1食、もち麦粥に置き換えることで、カロリーを抑えることが出来る。
<もち麦粥の作り方>
スープジャーに、お好みのスープの素1人前と生のもち麦約25g入れ、適量の熱湯を注ぎ蓋をして3時間程置けば、超簡単お手軽もち麦粥が完成。
担当:医師 畠山昌樹
糖質制限に加え、ココナッツ由来のMCTオイルを飲むという相乗効果により、今話題のケトン体質に体をチェンジするダイエット法。
ブドウ糖の代わりに体を動かすエネルギー源になりうる、として現在研究が進められているのが“ケトン体”。ケトン体は体脂肪を分解することで生まれ、ケトン体を体のエネルギーとして使う状態をケトン体質という。
糖質制限とともに、中鎖脂肪酸油である無味無臭のMCTオイルを摂取し、その相乗効果でケトン体質になりやすくするというものが、MCTオイルダイエットのメソッド。
★ 今回チャレンジしたMCTオイルダイエット詳細
<最初の1週目> ※体をオイルに慣れさせる期間
1日1,200キロカロリー(オイルのカロリー含む)を目指す。
【朝&昼】MCTオイル20ml&豆乳60ml+野菜ジュース+150kcal未満のおかず
【夜】MCTオイル20ml&豆乳60ml+ゆで卵
【寝る前】MCTオイル10ml&豆乳
※ 間食をする場合は、チーズやゆで卵など。 水分は1日1.5L前後が望ましい。
※ サプリメントも毎食後、就寝前に摂取。詳しくは下記参照。
<2週間目以降>
1日800キロカロリー(オイルのカロリー含む)を目指す。
【朝】野菜ジュース+150kcal未満のおかず
【昼】MCTオイル20ml&豆乳60ml+野菜ジュース+150kcal未満のおかず
【夜】なし
【寝る前】MCTオイル10ml&豆乳
※ 間食をする場合は、チーズやゆで卵など。水分は1日1.5L前後が望ましい。
※ 食事内容は、炭水化物50g、たんぱく質30gは必ず摂取できるようにする。
※ サプリメントも毎食後、就寝前に摂取。詳しくは下記参照。
★ 1週目、2週目共に、これまでより食事の量が大幅に減ることになるため、上記の食事にプラスして、サプリメントで栄養素を効果的に補っていくことが重要です。
<サプリメントから摂取した、ビタミン・ミネラル等(1日の量)>
カルシウム…416.7mg/マグネシウム…208.3mg/鉄…12.5mg/亜鉛…10mg/銅…1.0mg/マンガン…2.5mg/ビタミンB1…39mg/ビタミンB2…19.4mg/ビタミンB6…18.2mg/ビタミンB12…16μg/ナイアシン…35mg/葉酸…300μg/ビオチン…70μg/パントテン酸…29.2mg/ビタミンE…115mg/ビタミンP…20mg/イノシトール…25mg/β-カロチン…5400μg/ビタミンC…1100mg/ビタミンD…5μg/ヨウ素…84.7μg/セレン…50.3μg/クロム…47.2μg/モリブデン…17.5μg/DHA…892.5mg/EPA…192.5mg/L‐カルニチン…1050mg /大豆レシチン…1350mg
※ 今回のMCTオイルダイエットは、番組企画用にカロリーを設定し、参加者の食事内容や体調を踏まえ、畠山医師の細かな管理・指導のもと行いました。
自己判断で行わないようご注意下さい。
※ 番組で紹介した各ダイエットは、やせる意志のある肥満体の女性が、健康診断を受けた上で医師・専門家の細かい指導・管理のもと行いました。
(病気で治療中の方、妊娠・授乳中の方は、主治医にご相談ください)
担当:セントラルスポーツ インストラクター 澤木亮介(南青山店 勤務)
メンバー全員に共通の運動を指導し、ダイエットをバックアップ。
全国に約200店舗を誇るスポーツクラブ「セントラルスポーツ」。
“0歳から一生涯の健康づくりに貢献する”が理念。“乱れた食生活の改善と適度な運動により、健康的な生活習慣を手に入れていくことが大切”という考えの元、ダイエットに効果的なプログラムも多数用意。
※ 更に詳しいプログラム内容を知りたい方は、セントラルスポーツ公式HPをご覧下さい!
★ 今回指導してもらったプログラムの一部
■ X-FIT FAT BURN
心肺機能の向上と脂肪燃焼しやすい体づくりを目指す、高強度トレーニングプログラム。
自身のボディウエイトを用いたシンプルな動作ながら、得られる達成感は抜群!
■ X-FIT AQUA
短時間で効率よく脂肪燃焼を目指す、プールで行う高強度トレーニングプログラム。持久力や筋力アップ、ボディメイク効果も抜群!
4分間で1時間分の有酸素運動に匹敵!ビーチで行うエクササイズ「ビーチブートキャンプ」
担当:トレーナー カウアン・アンドリアッチ
★ 今回指導してもらったビーチブートキャンプ
8つの動きを20秒ずつ、10秒のインターバルを挟みながら行う。
4分間、全ての運動を全力で追い込んでやることで、1時間分の有酸素運動と同等の効果が得られる。
(1)ヒマラヤプッシュアップ
足を広げた状態で手を交互に付いてから深く腕立て伏せをし、元の体勢に戻る。肩や二の腕に効く運動。
(2)マウンテンクライマー
腕立て状態で行う腿上げ運動。大腿筋や下腹部が鍛えられ、心拍数も上がる。
(3)チューブショルダープレス
足でチューブを踏み、腕を頭上に持ち上げる運動。肩や二の腕の筋肉が鍛えられる。
(4)チューブフロントサイドレイズ
足でチューブを踏み、腕を肩の高さまで持ち上げる運動。肩や二の腕の筋肉が鍛えられる。
※チューブが無い場合は500mlのペットボトルを持つことで代用可能
(5)サイドランジ
両手を重ね、左右に深く体重移動しながらしゃがみこむ運動。太ももの内側の内転筋群が鍛えられる。
(6)ジャンピングスクワット
ジャンプしながらスクワットする運動。太もも、背筋、腹筋などが鍛えられる。
(7)ジャンピングランジ
ジャンプして足を入れ替えながら前後に開いて着地する運動。太ももやお尻の筋肉、腹筋が鍛えられる。
(8)バーピー
腕立て伏せとジャンプを組み合わせた運動。肩や太もも、腹筋が鍛えられる。
ウエストがミラクルチェンジ!「バスタオルエクササイズ」
担当:ダイエットレーナー 小山圭介
<バスタオルの巻き方>
バスタオルを縦に2つ折りして帯状にする。お腹を凹ませた状態でなるべくキツく巻く。
バスタオルをキツく巻きエクササイズすることで、お腹の水分によるむくみが下半身へ移動し、脚の余分なむくみと共に排泄される。
★ 今回指導してもらったバスタオルエクササイズ
(1)やじろべえエクササイズ
脚を肩幅よりやや広めに開き、両腕を水平にあげ、体を左右に倒す。
脇腹のお肉をつぶし、伸ばすことを意識して行う。1セット20回。
床と顔が平行になるくらいしっかり倒すことがポイント。
(2)ツイストエクササイズ
スクワットをして背中側にガッツポーズ。
ウエストのひねりを意識して大きい動きで1セット20回。
(3)フロントランジスクワット
腕を胸の前で組み、足を交互に前に出してスクワット。
前に出した足の膝は直角、後ろの膝はしっかり床につける。1セット20回。
“痩せたら可愛いのに…”というおデブ女性9名が、
美女を目指しダイエットに挑戦!
体重60〜90キロ台、年齢10〜50代までの幅広い参加者が、
奇跡の大変身を遂げる!
涙と笑いのシンデレラストーリー。
感動のフィナーレまでの2ヶ月間に完全密着!
今年1月11日、3ヶ月でマイナス20キロ以上という衝撃の結果を連発し、見事に80キロ以上のおデブちゃん達がアイドルに大変身を遂げた「ダイエット総選挙」の第2弾。
今回チャレンジするのは、体重60〜90キロ台、年齢は10〜50代まで幅広い“痩せたら可愛いのに…”というおデブ女性9名。
前回の優勝者ぢをん、一歩及ばず2位に涙したレイチェルも、今回は本当の美容体型を目指してリベンジする。
さらに芸能界から、元祖アイドルスケーターW、元祖天才子役・Sの2人も参戦!
医師・専門家の指導の下、すぐに真似できる3つの最新ダイエット法に、3名ずつ3チームに分かれてチャレンジ。
イケメンインストラクター指導の下、日々エクササイズにも励む。
また、より美ボディを目指すべく、スペシャルトレーナーも続々登場!
期間は2ヶ月。
今回は、開始1ヶ月目の中間発表で『1チームが脱落する』という非情なルールが…。
チーム全員で乗り越えようと、メンバー同士励まし合いながら厳しいダイエット生活を乗り越えていく。
女性達がダイエットする目的とは?50代でも痩せられるのか?
涙と笑いのシンデレラストーリー「ダイエット総選挙2017 夏の陣」。
感動のフィナーレまでの2ヶ月間に完全密着!
2017年5月3日(水)テレビ東京「ソレダメ!〜あなたの常識は非常識!?〜」
「咳で眠れない時は枕の下に?を入れる」
咳が出て寝付けない時は枕の下にクッションを敷いて寝ると良い。芝大門いまづクリニックの今津院長によると、上半身を起こすと内臓が横隔膜と肺を圧迫せず咳が出ない。
月経バイオリズムに適した食事があることを、ご存知だろうか? 低温期、高温期、生理中の3つの期間ごとに栄養分を工夫することで、女性の体のヘルシー度は確実にアップ。「今日のディナーの献立、何にしよう」、「メニューからどれを選ぼう」と迷ったら、自分の体が特に必要とする食材から考えてみる。そんなキレイ習慣を、始めてみて。
女性の体を守るために生理周期に合わせた食事を。
誰もが抱えるものから人には聞けないものまで、あらゆるヘルス&ビューティの悩みにその道のエキスパートが回答。第14回目は、最新の花粉症治療も含めて、体の免疫にフォーカス。“外敵に慣れる免疫”に着目した治療が進み、そのためにも、普段の体調を整えることが大切だという。 健康な体の基本といえる、体を温めるためのTO DOも要チェック!
外敵と“戦う“免疫より“慣れる”免疫が注目されている。
甘酒は昔から受け継がれてきた伝統的な飲み物。健康にいいといわれていたが、近年、甘酒に含まれる成分が目のクマなどを改善し、美肌にいい効果が報告されています。そんな甘酒の健康効果をご紹介します。
■美肌に効果あり 目のクマ、ニキビ肌も改善
甘酒の起源は中国。日本では『日本書紀』に、甘酒のルーツとなるものの記述が残っている。江戸時代は夏バテ予防に甘酒がいいとされ、夏の飲み物として飲まれていた、伝統的な発酵食品だ。甘酒はもち米を、「米こうじ」もしくは「酒かす」などで発酵させて作る。主な栄養素は、ビタミンB群、アミノ酸、ブドウ糖、オリゴ糖で、栄養が豊富なことから、“飲む点滴”ともいわれる。また、こうじを使用した甘酒には、数種類のジペプチドや、抗酸化作用のあるエルゴチオネインが含まれているという報告もある。
近年の研究では、美容に効果があることがわかってきた。美容成分などに詳しい東京工科大学の前田憲寿教授は、「米こうじと酒かすの両方を使用した甘酒を継続して飲むことで、皮膚の表面温度が上昇し、目の下のクマが改善した。皮脂の抑制効果も確認できており、ニキビを減らすなどの美肌効果も期待できる」と説明する。さらに、森永製菓の健康事業本部研究開発部の川上晋平さんは「甘酒を含むエサを食べたマウスのふん便小腸内容物を分析した結果、粘膜を構成する成分の一つ、ムチンの量が増加した。腸内環境を改善する可能性があると考えている」と話す。
自身も甘酒を愛飲しているという芝大門 いまづクリニックの今津嘉宏院長は、「甘酒は三大栄養素のたんぱく質、脂質、炭水化物がバランスよく含まれる。体の調子が悪いときの栄養補給としてもお薦めです」という。
■甘酒を効かせる飲み方は1日2杯
甘酒の健康効果を効かせるには、1日2杯、朝と晩に毎日飲むのがお薦め。「甘酒は栄養価が高く、バランスのとれた飲み物なので、一年を通して風邪予防にも最適です。近年の研究で、酒かすに多く含まれる清酒酵母が、アデノシンA2A受容体を活発にし、睡眠の質を改善することが報告されています」(今津院長)
【甘酒の健康トリビア】
「飲む点滴」といわれるほど栄養価が高い甘酒。現在では美容効果に期待が高まり、スーパーフードとして、さらに注目が集まっており、自販機でも購入できるほどの人気商品になった。もち米、米こうじ、酒かすで作る甘酒のトリビアをご紹介。
■アルコール有無は材料で決まる
甘酒には「酒かすで作る甘酒」と「米こうじで作る甘酒」、「酒かすと米こうじをブレンドしてつくる甘酒」がある。酒かすにはアルコールが含まれているので、酒かす入りの甘酒には微量のアルコールが含まれているが、米こうじでつくる甘酒にはアルコールは含まれていない。
■低カロリーなエナジードリンク
米こうじの甘酒のカロリーは、おおよそ100ml当たり81kcal。一方、酒かすの甘酒は、これに砂糖を加えるので砂糖の量だけカロリーは上のせされる。アミノ酸の含有量などを考えると、一般的なエナジードリンク(200kcal)よりもカロリーは控えめ。
■江戸時代は夏バテ予防に飲まれた“夏の飲み物”だった
お正月の神社の境内などでふるまわれる甘酒は、温めて飲む冬の飲み物というイメージが強い。しかし、江戸時代は夏バテ防止の飲み物だった。甘酒売りが売り歩く姿は夏の風物詩として、「甘酒」は俳句の夏の季語となっている。
■最近はコンビニでもカンタンに手に入る
幅広い年齢層に人気の甘酒。最近では、1年を通してコンビニでも販売されるようになった。酒かすと米こうじをブレンドしたタイプやショウガ入りのものなど種類もさまざま。缶入りのほかにフリーズドライタイプもあり保存・携帯に便利。
【炊飯器でOK 米こうじを使った甘酒の作り方】
1.もち米を洗米した後、400mlの水を入れて30分、水浸させてから炊く。炊き上がったら、しゃもじで混ぜながら冷ましていく。
2.炊き上がったもち米を55~60度ぐらいまで冷ます。米こうじ(乾燥米こうじでも可)をバラバラにほぐしながら、炊飯器に入れる。
3.もち米とほぐした米こうじをまんべんなく混ぜ合わせる。表面を平らにならした後、炊飯器に残りの水200mlを加える。
4.炊飯器の蓋は閉めずにぬれ布巾をかぶせ、保温スイッチをONにする。
5.ぬれ布巾をかぶせたまま7~10時間置く。こうじがなじんできたらかき混ぜ、常温に戻し、器に移して冷蔵庫で保存する。
【もっとカンタン 保温ボトルに入れるだけでできる】
1.ステンレスボトルにバラバラにほぐした米こうじ100グラムを入れる。お湯を沸かして、湯の温度を60度まで冷ましておく。こうじで甘酒を作るときのコツは、60度前後の温度を保つこと。
2.70度を超えると糖化酵素が壊れて働かなくなるので、温度には注意を。ボトルに60度のお湯を注ぎ、温度を保ちつつ、7時間置く。
【甘酒ライフを充実させる、+αレシピ】
アルコールを含まず、美容効果が期待できる「米こうじでつくる甘酒」をベースとしたアレンジレシピをご紹介。ストレートでもおいしい甘酒に薬味をはじめ、乳製品などをプラス。常温・加熱・冷やしてもいい。
■甘酒+ショウガ(小さじ1) ショウガの成分で温め効果アップ
ショウガにはジンゲロンとジンゲロールなどの辛味成分が含まれている。皮つきのすりおろしたショウガを加えることで、手や足の末端にある血管を開き、血流を促して体を温める。さらに、甘酒のペプチドとの相乗効果で血圧を上がりにくくする効果も期待できる。
■甘酒+豆乳(1/3カップ:約70ml) たんぱく質補給にぴったり、さっぱりとした飲み口に
牛乳と同じくらいたんぱく質を多く含む豆乳。乳糖不耐性の人でも豆乳であれば、たんぱく質を補給することができ、大豆イソフラボンによる美肌効果も期待できる。加える場合は、砂糖を含まない無調整豆乳がお薦め。飲みやすく後味もサッパリ。
■甘酒+陳皮(ひとつまみ) 漢方でも使うミカンの皮で血の巡りを促す
ミカンの皮を乾燥させたものを「陳皮」といい、1年以上陰干したものは生薬として使われる。陳皮に含まれるポリフェノールの一種・ヘスペリジンは、血流の改善を促す作用がある。血の巡りがよくなることで、全身を温める。
■甘酒+ヨーグルト(大さじ1) 動物性の発酵食品で整腸効果が大幅にアップ
ヨーグルトは乳酸菌が牛乳を発酵させてつくる動物性の発酵食品。植物性の発酵食品である甘酒と組み合わせることで整腸作用が期待できる。「朝、時間がないときなど、朝食代わりにコップ1杯、甘酒ヨーグルトを飲むのがお薦め」(今津院長)
(ライター 高橋晴美、写真 鈴木正美、スタイリング タカハシユキ)
2017年2月23日 NHKテレビ「シブ5時」
「魚住アナが試してわかった!効果的な冷えとり法とは」
人間耐寒テストでは眠っていても寒さを感じたという。見回りの人が1時間に1回生存確認しにくるほど。医師による冷え解消のポイントとしては、食事や運動で体内を温め熱を逃がさないことが大切。オススメはカラオケ。また、胃腸を冷やさないことも大事で、例えば水はよく口に含んで転がしてから飲み込むと良い。貼るカイロは背中や腰よりもお腹に貼る方が効果的。