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過去のコラム【2014年アーカイブ】

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みかんは皮ごと食べよう

寒中お見舞い申し上げます。今年は寒波の影響で、寒い日が続きます。みなさん、生姜しょうがを使った寒さ対策は実践されていますか。

 さて、今年の第一回は、「みかん」の話です。

 「犬は外を駆け回り、猫はこたつで丸くなる」。みなさんも、こたつでテレビを見ながらみかんを食べた思い出があると思います。実は、みかんにはすごい力があるんです。

 この季節、八百屋さんの店先には、いろいろな種類のみかんが並んでいます。どのみかんにするか、と考えてしまうこともあると思いますが、大切なのは、温州うんしゅうみかんを選ぶことです。というのも、海外から輸入されるオレンジやレモンとちがい、日本で作られている温州みかんにしか含まれていない大切な成分があるからです。

 漢方薬では、温州みかんの皮も使います。「陳皮ちんぴ」は、温州みかんの皮を乾燥させたものです。この温州みかんの皮には、発がん抑制作用や血流改善作用などの力を持つというヘスペリジンが含まれています。このヘスペリジンは、オレンジやレモンには、ほとんど含まれていません。せっかく買うのでしたら、ヘスペリジンを多く含んだ温州みかんがおすすめです。

 この陳皮が含まれている六君子湯(りっくんしとう)は、がん治療の現場で抗がん剤による食欲不振の治療に活用されています。

 夏みかんやダイダイの未熟果実も、漢方薬として使われています。この未熟果実は、「枳実きじつ」と呼ばれています。主成分はリモネンで、アロマセラピーでは、リラックス効果があるとされています。

 この枳実は、精神的ストレスを和らげる効果がある半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)に含まれています。
漢方医学を活用して、自然の力で体を健康にすることが大切です。そのためには、みかんを食べるときは甘い実よりも、皮の部分が大切なようです。そこで、わたしは皮をよく洗って、皮ごとみかんを食べるようにしています。実の甘さと皮の酸っぱさが合わさり、意外とおいしくいただけます。そのうえ、みかんの力をすべて使うことができるからです。ぜひ、試してみてください。