過去のお知らせ【2015年アーカイブ】
« お知らせ 一覧へ戻る2015年5月14日(木)18:00〜19:30
済生会新潟第二病院 10階 講堂
講演「がん治療と漢方」
座長 済生会新潟第二病院 副院長 酒井靖夫 先生
講師 今津嘉宏
Oggi 2015年6月 第24巻 第9号 P.318 「美人をつくる、ココロとカラダの診察室
「30代のストレス病 ”養生”で治す方法 あります」
取材していただいたものが、記事になりました。
背中から腰にかけて、痛い、重い、だるい……。そんな症状が現れることもある。原因は内臓の病気かもしれない。お腹の中の仕組みと、症状別に原因と思われるものを紹介しよう。
「体の後ろ側の『後腹膜(こうふくまく)』という場所の臓器に異常が起こると、背中や腰に痛みなどの症状が出やすい」と芝大門いまづクリニックの今津嘉宏院長。
図1 お腹の“外側”の後腹膜にあるのは、十二指腸や膵臓、腎臓など。また、心臓からの血液を全身に送る大動脈も背中側を走っている。これらに異常があると、背中や腰に症状が現れやすい
お腹の中には、腹膜で囲まれた腹腔というスペースがあり、この中には胃や肝臓、大腸などの臓器が収まっている。いわゆる“お腹”の臓器だ。この腹膜の後ろの場所が、後腹膜。ここには十二指腸や膵臓、腎臓などがある(図1)。「後腹膜はいわばお腹の“外”。だから、ここに異常があると背中や腰に症状が出やすい」(今津院長)
なるほど、お腹の“中”と“外”で症状が出やすい場所が異なるというわけ。たとえば、高熱とともに膀胱炎のような症状が現れる腎盂腎炎(じんうじんえん)。腎臓は“外”にあるので、背中から腰にかけて痛みが出る(図2)。
「子宮の場合は、半分はお腹の中にあるが、もう半分は外にある。このため、子宮内膜症の場合は、下腹部だけでなく、腰の方にまで重い痛みが出てくる」と今津院長。
また、胸膜の後ろを通る大動脈に異常が生じた場合も、背中に痛みが出やすい。
整形外科系の病気は、姿勢や動作に伴って痛みなどの症状が現れやすいが、内臓の病気の症状は必ずしも姿勢とは連動しない。図2で思い当たる症状がある人は早めに内科で受診を。
痛みの部位でわかる内臓疾患 (チャート図考案は今津院長によるもの)
【背中右上部に出る痛み】
▼肺炎、肺結核など「響くような痛み」
▼気管支炎など「背中全体に広がる痛み」
カゼや喘息、喫煙などが原因で、急性気管支炎になることも。咳や痰、胸の不快感のほか、咳をすると背中全体に痛みが広がる。肺炎や肺結核でも、咳き込むと背中にまで響くような痛みが生じることがある。痰のからむ咳や胸痛、発熱、息切れなども伴う。
図2
【背中右下部に出る痛み】
▼十二指腸潰瘍など「差し込むような痛み」
▼肝炎など「体のだるさを伴った痛み」
▼腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
十二指腸潰瘍は20~40歳の比較的若い人に多い。空腹時にみぞおちや右側の背中に、差し込むような痛みが生じる。肝炎の場合は、右わき腹から背中にかけて、だる重いような痛みが起こりやすい。痛みや発熱を伴う腎盂腎炎や腎結石は、左右それぞれ発症する可能性がある。
【腰まわりに出る痛み】
▼尿路結石など「間欠的な痛み」
▼卵管炎、子宮外妊娠など「高熱を伴った痛み」
▼子宮内膜症など「下腹部全体の重い痛み」
尿路結石では、七転八倒するような痛みが突然出現。痛みは出たり消えたりを繰り返す。細菌のクラミジア感染などで起こる卵管炎、受精卵が子宮外に着床する子宮外妊娠では、高熱を伴い腰まわりが痛む。子宮内膜症では月経痛が重く、痛みは下腹部から腰にまで及ぶ。
【背中左上部に出る痛み】
▼狭心症、心筋梗塞など「手で握られるような痛み」
▼解離性大動脈瘤、大動脈瘤など「引き裂かれるような痛み」
心臓の冠動脈が狭くなったり詰まったりして、心臓に血液が十分供給されなくなるのが狭心症や心筋梗塞。胸の痛みが一般的だが、背中にまで痛みが放散することも。大動脈の内膜が裂けて瘤(こぶ)ができる解離性大動脈瘤などでは、引き裂かれるような激痛が突然起こる。
【背中左下部に出る痛み】
▼膵炎、膵臓がんなど「耐え難い痛み」
▼腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
急性膵炎は、脂肪の多い食事をした後や過度の飲酒後に起こることが多い。胆石が原因で起こることも。耐え難い痛みが、みぞおちから左上腹部、背中側にまで及ぶ。細菌感染で起こる腎盂腎炎、腎臓に結石ができる腎結石では、痛みだけでなく、発熱も伴う。
今津嘉宏さん
芝大門いまづクリニック(東京都港区)院長。専門は消化器外科、漢方など。慶應義塾大学医学部外科、麻布ミューズクリニック院長などを経て、2013年から現職。「頭のてっぺんから足先まで診る」がモットー。著書は『89.8%の病気を防ぐ上体温のすすめ』(ワニブックス)など。
[日経ヘルス2015年4月号の記事を基に再構成]
(ライター 佐田節子)
主催 NPO法人 がん医療研究機構
第18回 オンコロジーセミナー 2015年4月11日(土)ランチョンセミナー 12:10 ~ 13:10
会場 日本教育会館
「漢方薬とがん薬物療法」
講師 今津嘉宏
ナース専科 2015年4月号に「がんと漢方薬のこと」で、先日のセミナーが取り上げられました。
2015年4月 第18巻 第5号
日経ヘルス「首、背中、骨盤のゆがみとり」P.57
「発熱を伴う痛み、腰の鈍痛は、内臓の病気が原因のことも 内科を受診しましょう」
取材していただいたものが、記事になりました。