過去のコラム【2015年アーカイブ】
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先日、昔懐かしい仲間との食事会がありました。大学を卒業して、1年目に一緒に外科研修をした同期たちとの二十数年ぶりの再会でした。
私が研修を受けた約30年前は、現在の医師研修制度とまったく違っていました。大学を卒業すると、ほとんどの仲間が自分の大学で研修を受けました。研修する領域は、自分で選んだ専門分野の診療科に限られていました。研修期間は、朝から晩まで忙しく、当直明けは、眠気をこらえて日常業務をこなしていました。
現在は、自分の大学で研修する医師は少なくなりました。ほとんどの医師は、大学を卒業する前に、全国の研修指定病院の中から自分が研修したい施設を選びます。
現在、医師の卒後研修期間は、2年間と定められています。この初期研修期間は、研修指定病院で医師としての基礎を学びます。それぞれの研修指定病院は、優秀な医師を育てるために、魅力ある研修プログラムを提供しています。
この初期研修期間では、自分が将来、専門としたい診療科を研修するだけでなく、産婦人科、小児科、麻酔科など、研修が義務づけられている診療科があります。なかでも、地域医療や救急医療など、様々な病気を診療する期間も、設けられています。
この研修プログラムが始まり、どんな病気にも対応ができる医師が育っています。素晴らしいですね。
これから少子高齢化の時代を迎える中で、専門しかわからない医師を育てるよりも、一人の医師が、子どもからお年寄りまで診ることが出来ることが望まれています。風邪から、打撲、生活習慣病、がんなど、様々な病気を診ることが大切になってきます。まさに、時代にマッチした研修制度で育った医師たちが、これからの医療を担っていくでしょう。
平成25年簡易生命表によると、男性の平均寿命は80.21年、女性は86.61年でした。
しかし、健康寿命は、男性が70.42歳、女性が73.62歳ですから、平均寿命と健康寿命には、まだまだ、差があります
平均寿命と健康寿命との差は、何を意味するのでしょうか。それは、日常生活に制限がある「不健康な期間」を意味すると言われています。平成22年での「不健康な期間」は、男性9.13年、女性12.68年となっています。みなさんの「不健康な期間」は何年でしょう。厚生労働省は、みなさんが住んでいる都道府県、それぞれの平均寿命、健康寿命を示してくれています。一度、見てみるのも良いかもしれません。
みなさんの健康を守る日本の医療体制が今、変わろうとしています。2015年5月27日、医療保険制度改革関連法が成立しました。国の医療費負担を減らすためにいろいろな仕組みが行われるようになります。その中で私たちは、少しでも、医療費を使わないで、自分の健康を自分自身で管理していくようにしたいものです。そのためには、毎日の生活が基本になります。
みなさんも朝起きて夜寝るまでの間、どうやって過ごすか、いろいろと工夫されていると思います。歩き方、仕事中の姿勢、食事の取り方、休憩時間の過ごし方など、ちょっとした心構えで、より良い生活をすることができます。
テレビやインターネットには、体によいと言われるサプリメントや健康食品などの広告が、たくさん出ています。しかし、サプリメントや健康食品など、口から体の中へ入れるものは、慎重に慎重を重ねて、吟味したいものです。
私が、昨年から取り組んでいるのは、この起きている間の工夫に加えて、寝ている間の工夫です。誰でもどこでも、睡眠はとることができます。赤ちゃんでも、サラリーマンでも、
また、平均寿命と睡眠時間についても、いくつかの研究があります。睡眠時間は、短くても、長くてもいけないそうです。睡眠で大切なのは、睡眠の質だといわれています。
つまり、朝から晩まで、起きているときにする工夫と同じように、寝るときにも、睡眠の質を良くする工夫が必要だということです。睡眠の質を良くする工夫は、いろいろあります。例えば、寝るときに靴下をはかないようにする(参照:「寒い季節に熟睡できる五つのコツ」)ことや、枕や布団などの選び方(参照:「目覚めスッキリ…良い睡眠は寝具選びから」)など、いろいろとあります。
どうか、みなさんの健康寿命が延びるように、睡眠を大切にして、お過ごしください。毎日が元気で明るく過ごすことができますように、心からお祈りしております。
第23回日本乳癌学会学術総会主催のイベント「Run & Walk for Breast Cancer Survivors」が7月5日(日)に東京・有明/台場エリアで開催されます。当日は、乳がん体験者をモデルにしたファッションショー「東京Breast Cancer Survivors コレクション」が企画されています。興味がある人は、ぜひ、ご応募くださいね。
(http://ws.formzu.net/fgen/S83963062/)
新潟へ行ってきました。今回は、済生会新潟第二病院が、年2回開催している病診連携の会へ参加するためです。済生会新潟第二病院の10階から眺める風景は、すばらしいものでした。目の前に広がる水田は、キラキラと輝いていました。日本海に沈む夕日に、佐渡がかすんでいました。
佐渡へは、新潟港からカーフェリーで約2時間30分、高速船のジェットフォイルで1時間5分ほどです。直江津港からも高速カーフェリーが出ています。ご存じのように日本を象徴する鳥、ニッポニアニッポンと呼ばれるトキの保護センターが佐渡にあります。また、佐渡の
佐渡には、いろいろな薬草が自生しています。毎年6月に開催される「佐渡カンゾウ祭り」は、漢方薬によく使われる
甘草は、漢方薬の約70%に使われている薬草です。リコリスとも呼ばれる甘草は、砂糖の50倍の甘さがあります。しょうゆやみその甘みは、甘草でつけています。1990年にアメリカの国立がん研究所(NCI)が発表した「デザイナーフーズ計画」があります。この中で甘草は、がん予防に重要性が高い食品のひとつにあげられています。
しかし、甘草には副作用があります。この甘草の副作用は、西洋薬でも起こります。というのも、西洋薬にも甘草は活用されているからです。甘草に含まれるグリチルレチン酸による症状が問題になります。症状は、「手足のだるさ」「しびれ」「つっぱり感」「こわばり」がみられ、これらに加え、「力が抜ける感じ」「こむら返り」「筋肉痛」があらわれ、だんだんときつくなる、と言われています。具体的には、むくみから始まり、だんだんと血圧が高くなるなど、偽アルドステロン症と呼ばれる状態になります。
詳しくは、重篤副作用疾患別対応マニュアル「偽アルドステロン症」を参考にされるといいでしょう。
甘草以外にも、佐渡では様々な薬草が自生しています。
済生会新潟第二病院での講演会では、副院長で外科部長の酒井靖夫先生に、座長を務めていただきました。「がん診療と漢方」をテーマに、約1時間、お話しさせていただく機会を頂戴しました。
病院の内外からたくさんの方に、ご参加いただきました。会に参加していただきましたのは、医師、薬剤師、看護師の方々80人余りでした。私から少しでも多くの医療従事者の方へ漢方医学のよさを伝えることができましたら幸いです。漢方医学が、みなさまの毎日を元気で明るくすることを心からお祈りしています。
今回は、健康について調べるときに便利なサイトをご紹介していきたいと思います。まずは、厚生労働省が運営しているサイトをみてみましょう。
「『統合医療』情報発信サイト」は、健康に関わる様々な情報をまとめたサイトです。民間療法や健康食品など、いろいろな情報を調べる時に役立つサイトです。
テレビやインターネットで紹介される「体にいいもの」が本当に、安全で健康によいのか、疑問になった時に役立ちます。
国立健康・栄養研究所が運営している「『健康食品』の安全性・有効性情報」は、私たちが口にする食品について、世界中の情報を網羅しています。みなさんの食卓にのぼる全ての食品についての情報を知ることができます。海外で売られている薬でも、日本の基準では禁止されているものもあります。ぜひ、活用しましょう。
次は、国立がんセンターが運営しているサイトです。「がん情報サービス」は、すべてのがん情報を調べることができるサイトです。一般の人にわかりやすい情報を提供してくれます。病院でがんと宣告されたときや、知り合いががんにかかってしまったときなど、詳しく調べることができます。
そして、最後は「みんなの漢方」をご紹介しましょう。女性の体調不良を漢方医学でわかりやすく説明してくれるサイトです。ちょっとした身体の不調を見つけることができる、便利なサイトです。特に女性の悩みをわかりやすく解説してくれる「漢方でケアする女性の不調ナビ」は、皆さんの疑問を解決してくれるはずです。
「みんなの漢方」を主催されている増田美加さんは、いつも元気で明るい女性です。増田さんにお会いすると、元気をいただき、ファイトがわいてきます。ぜひ、増田さんのパワーを分けてもらいましょう。
今、インターネットには様々な情報が流れています。しかし、本当によい情報を見つけ出すには、コツが必要です。今回ご紹介したサイトは、すべて信頼性の高いものばかりです。ぜひ、皆さんが元気で明るい毎日を過ごすためにご活用ください。
みなさん、ゴールデンウィークは、どうやって過ごされましたか。「久しぶりに帰郷し家族でゆっくりと過ごした」「旅行へでかけ楽しい時間を友人と過ごした」「毎日仕事があり休むことはできなかった」と、それぞれに過ごし方は違ったことでしょう。私は、都内で、家とクリニックの往復をしながら、のんびりと過ごすことができました。
だいぶ、暖かくなってきましたので、スギによる花粉症もそろそろ影を潜めるようになりました。私のクリニックでは、昨年の秋から、アレルゲン免疫療法の新しい治療「舌下免疫療法」(参照「スギ花粉症に期待の新治療法」)を多くの方に始めてもらいました。この治療法は、問診、皮膚テスト、血液検査などでスギ花粉が原因と診断された方に受けていただく治療です。といっても、大げさな治療方法ではなく、小学生にでもできる簡単な治療で、スギの花粉を薄めた液を毎日、舌の下へ数滴落とすだけです。
当初、2~3年の間、継続しないと効果がないと言われていましたが、実際は、もっと早く効果が出ているようです。
この舌下免疫療法の効果について、私の感想を少し、お話しさせていただきます。これは、私のクリニックで治療を受けている方に限りますので、参考までにしてくださいね。昨年の秋から舌下免疫療法を始めた患者さんのうち、例年よりも今年の方が楽に過ごせたとおっしゃる方が、だいたい半分でした。
もともとの症状の強さや、個人の感じ方の差など、ちゃんとした科学的解析をしていませんので、100%、症状が軽減されたとは言えません。しかし、実際に治療を受けている方の話を聞いていると、この舌下免疫療法は、臨床試験の結果と同じような治療効果があると感じています。
「最も多い副作用として、舌の下がかゆくなったり、腫れたりする人が数%いらっしゃる」といった臨床試験の結果を私自身、実際の診療で実感しています。
この治療で多くのスギ花粉症の方が、春のすばらしい季節を楽しめるようになってもらいたいと、心から願っています。
もし、「舌下免疫療法」を希望される方は、「スギ花粉症に対する舌下免疫療法相談施設検索」で相談施設を検索し、スギ花粉の飛散が終わる6月ごろから、治療を開始されるとよいと思います。
どうか、みなさんが、毎日、元気で健康に過ごされるように、心からお祈りしています。
みなさんは、渋谷駅前にある忠犬ハチ公の銅像が、2代目だということをご存じですか。1934(昭和9)年に作られた初代ハチ公像の原型を、5月24日まで松濤美術館(東京・渋谷区)で開催されている「いぬ・犬・イヌ」展で見ることができます。
今回も、学芸員によるギャラリートークが開催されます。前回の「ねこ・猫・ネコ」展同様、犬の写真を持参すると、2割引きで入場できるサービスがあります。犬を飼っている方は、ご自分の犬の写真をお持ちくださいね。
さて、暖かい季節になってきました。これからの季節、過ごしやすい時期が続きます。気分も軽く、体も軽くなる季節ですね。心と体の調子を整えるには、もってこいの時期です。ぜひ、健康診断を受けに出かけましょう。
いつも通院している病院や診療所がある方は、主治医に相談されるとよいでしょう。しかし、特にかかりつけの医師がいない方は、この機会に、ご自身の体調を相談できる医療機関を見つけてはいかがでしょうか。
日本医師会では、かかりつけ医をつくるようにすすめています。では、かかりつけ医とは、どういう医師をいうのでしょう。日本医師会では、かかりつけ医を「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」としています。
かかりつけ医には、生活習慣病の治療のみならず、毎日の生活で注意する必要があることなど、衣食住すべての相談ができるわけです。また、あなた自身のことだけではなく、両親や子どもの健康についても、相談に乗ってもらえるのがかかりつけ医です。
健康なときこそ、かかりつけ医を持ちましょう。そして、健康なときから、毎日の生活の仕方を相談してみてはいかがでしょうか。皆さんが元気で健康な毎日を過ごすことが出来ますように、心からお祈りしております。
芥川龍之介の作品「鼻」は、大きな鼻の
私は小学生の頃、楽しんでマンガを読んでいました。特に、手塚治虫先生が大好きで、「ブラック・ジャック」の連載を毎週、欠かさず読んでいました。そんな手塚治虫先生に憧れて、私は医師になりました。
みなさんにも、小さな頃、憧れたものがあったと思います。満天の星を眺めながら、いつかは宇宙を旅してみたいと宇宙飛行士に憧れた人、遠い砂漠に浮かぶピラミッドを目指し、悪路を行く冒険家に憧れた人、深い海の神秘に心を奪われ、海底2万マイルを冒険する潜水艦の船員に憧れた人――。大人になると、小さな頃の憧れを知らないうちに忘れてしまうことがあります。生活に追われ、仕事が忙しく、夜になるとぐったりとしてしまう毎日を送っている人や、病院に通い、薬を飲む時間に追われる日々を送っている人など、心も体もすり切れてしまってはいませんか。
そんな時は、無理をせず、少しのんびりしてみてはいかがでしょうか。たとえば、しまい込んでいた懐かしい写真を見たり、好きだった歌手の歌を聴いたり、昔行った思い出の場所を訪ねてみたり、心休まる時間を過ごすようにしてみてはいかがでしょうか。
私も、心と体に栄養を与えるために、2015(平成27)年2月28日から5月10日まで、京都国際マンガミュージアムで開催されている「医師たちのブラック・ジャック展」へ行って来ました。2階の展示場には、等身大のブラック・ジャックとピノコが、私を待っていてくれました。私も、童心に帰って、記念写真を撮らせていただきました。
久しぶりにマンガの世界を楽しんだおかげで、心も体もリフレッシュしました。薬や医療に頼ることなく、自分の好きなことで、体調管理ができました。ゴールデンウィークは、絶好のチャンスです。ぜひ、みなさんも、病院にかかる必要がある状態になる前に、体を休める工夫をされてはいかがでしょうか。みなさんが、元気で健康な毎日を過ごされることを心からお祈りしています。
背中から腰にかけて、痛い、重い、だるい……。そんな症状が現れることもある。原因は内臓の病気かもしれない。お腹の中の仕組みと、症状別に原因と思われるものを紹介しよう。
「体の後ろ側の『後腹膜(こうふくまく)』という場所の臓器に異常が起こると、背中や腰に痛みなどの症状が出やすい」と芝大門いまづクリニックの今津嘉宏院長。
お腹の中には、腹膜で囲まれた腹腔というスペースがあり、この中には胃や肝臓、大腸などの臓器が収まっている。いわゆる“お腹”の臓器だ。この腹膜の後ろの場所が、後腹膜。ここには十二指腸や膵臓、腎臓などがある(図1)。「後腹膜はいわばお腹の“外”。だから、ここに異常があると背中や腰に症状が出やすい」(今津院長)
なるほど、お腹の“中”と“外”で症状が出やすい場所が異なるというわけ。たとえば、高熱とともに膀胱炎のような症状が現れる腎盂腎炎(じんうじんえん)。腎臓は“外”にあるので、背中から腰にかけて痛みが出る(図2)。
「子宮の場合は、半分はお腹の中にあるが、もう半分は外にある。このため、子宮内膜症の場合は、下腹部だけでなく、腰の方にまで重い痛みが出てくる」と今津院長。
また、胸膜の後ろを通る大動脈に異常が生じた場合も、背中に痛みが出やすい。
整形外科系の病気は、姿勢や動作に伴って痛みなどの症状が現れやすいが、内臓の病気の症状は必ずしも姿勢とは連動しない。図2で思い当たる症状がある人は早めに内科で受診を。
【背中右上部に出る痛み】
▼肺炎、肺結核など「響くような痛み」
▼気管支炎など「背中全体に広がる痛み」
カゼや喘息、喫煙などが原因で、急性気管支炎になることも。咳や痰、胸の不快感のほか、咳をすると背中全体に痛みが広がる。肺炎や肺結核でも、咳き込むと背中にまで響くような痛みが生じることがある。痰のからむ咳や胸痛、発熱、息切れなども伴う。
▼十二指腸潰瘍など「差し込むような痛み」
▼肝炎など「体のだるさを伴った痛み」
▼腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
十二指腸潰瘍は20~40歳の比較的若い人に多い。空腹時にみぞおちや右側の背中に、差し込むような痛みが生じる。肝炎の場合は、右わき腹から背中にかけて、だる重いような痛みが起こりやすい。痛みや発熱を伴う腎盂腎炎や腎結石は、左右それぞれ発症する可能性がある。
【腰まわりに出る痛み】
▼尿路結石など「間欠的な痛み」
▼卵管炎、子宮外妊娠など「高熱を伴った痛み」
▼子宮内膜症など「下腹部全体の重い痛み」
尿路結石では、七転八倒するような痛みが突然出現。痛みは出たり消えたりを繰り返す。細菌のクラミジア感染などで起こる卵管炎、受精卵が子宮外に着床する子宮外妊娠では、高熱を伴い腰まわりが痛む。子宮内膜症では月経痛が重く、痛みは下腹部から腰にまで及ぶ。
【背中左上部に出る痛み】
▼狭心症、心筋梗塞など「手で握られるような痛み」
▼解離性大動脈瘤、大動脈瘤など「引き裂かれるような痛み」
心臓の冠動脈が狭くなったり詰まったりして、心臓に血液が十分供給されなくなるのが狭心症や心筋梗塞。胸の痛みが一般的だが、背中にまで痛みが放散することも。大動脈の内膜が裂けて瘤(こぶ)ができる解離性大動脈瘤などでは、引き裂かれるような激痛が突然起こる。
【背中左下部に出る痛み】
▼膵炎、膵臓がんなど「耐え難い痛み」
▼腎盂腎炎、腎結石など「発熱を伴った痛み」
急性膵炎は、脂肪の多い食事をした後や過度の飲酒後に起こることが多い。胆石が原因で起こることも。耐え難い痛みが、みぞおちから左上腹部、背中側にまで及ぶ。細菌感染で起こる腎盂腎炎、腎臓に結石ができる腎結石では、痛みだけでなく、発熱も伴う。
(ライター 佐田節子)
名古屋には面白いものがたくさんあります。みなさんの地元にも、いろいろな面白い物があるでしょうね。わたしの故郷、名古屋の朝は、喫茶店のモーニングで始まります。このサービスは、コーヒーを頼むと、いろいろなものが付いてきます。そんな名古屋を満喫することも目的の一つに、今週、第115回日本外科学会定期学術集会に参加してきました。早速、なじみの喫茶店に入り、モーニングを注文しました。すると、コーヒーにサンドイッチがセットになって、手頃な値段でおいしい朝ごはんをいただくことができました。
実は、このサンドイッチもちょっと変わっています。いつもいただく東京のたまごサンドは、ゆで卵をマヨネーズで味付けしたものが一般的です。しかし、名古屋でいただくたまごサンドは、ふんわりと焼いたタマゴをマヨネーズと洋辛子で味付けしたものです。名古屋出身の私にとっては懐かしい味付けで、朝からホッとする時間となりました。
所変われば品変わる、というように、病気の治療法も、場所が変われば、治療法も変わります。例えば、寒い地方の風邪と暖かい地方の風邪では、使う薬も治し方も変わります。そんな中で、がんの治療は、学会が中心になって治療法を審査し、基準となる治療法をガイドラインにしています。
このガイドラインには、胃がんの患者さんに行う手術や抗がん剤治療、放射線治療を、どう組み合わせればよいかが、まとめられています。早い時期に見つかった小さな胃がんは胃カメラで治療するか、手術をするかについて、形や大きさで細かく決められています。
抗がん剤治療も同じように、薬の種類と量を病気の状態によって、使い分けるようになっています。このガイドラインを基に、治療を担当する医師は、患者さんに合わせて治療方針を決めていきます。
しかし、最もその人に合った治療法を選ぶには、やはり、知識と経験が必要となります。ガイドラインに記載されている方法をそのまま行うと、ひどい副作用が出たり、後遺症を残してしまったりすることがあります。
地域によって、病院によって、医師によって、どんな治療法も、ちょっとした工夫で安心して安全に受けることができるようになります。ぜひ、皆さんそれぞれに合った医師を見つけてください。どうか、みなさんが、安心して安全に医療を受けることができますように、心からお祈りしています。
土の中から新芽が出始め、花がほころび、虫たちが元気になる季節。春は、気持ちの良い季節ですね。しかし、この季節に体調が優れない方が、多くいらっしゃいます。
春は、寒い冬から気温が上がり、着る物も薄着になる時です。しかし、夕方に気温が急に下がったり、冷たい風が吹いたりします。1日のうち、最高気温と最低気温の差が一番激しいのが、この季節です。
寒暖の差で、お
気温の変化や気圧の変化で体調をくずしやすい春は、冬以上に気を遣う必要があります。以前に手術を受けたことがある方は、傷痕がシクシクと痛んだり、突っ張ったりします。
急性虫垂炎(一般には、盲腸と言われています)を例にお話ししましょう。最近の急性虫垂炎の手術は、
もし、傷痕が痛んだり、突っ張ったりした場合は、傷痕を温めると良くなります。ご自分の手をソッと当てて温めても良いでしょう。
春になると気分が落ち込んだり、気持ちが不安定になったりすることが多いようです。特に女性は、感情の浮き沈みが激しくなったり、ちょっとしたことで思い悩んだりするようになります。
漢方医学では、「
新学期が始まり、新しい環境で気持ちも体も緊張する春は、体調管理に気を配る必要があります。どうか、みなさんが明るく笑顔で毎日を送ることが出来ることを心からお祈りしています。