コラム



近所の小学校の入学式で、駆け出す子供を
この季節、新しい出会いに、目を輝かせている人は多いと思います。しかし、新しい環境で、精神的な負担を感じる人もいらっしゃいます。期待と不安が精神的な重荷になっているわけです。
「友達100人、できるかなぁ」と、新しい出会いにワクワクして、プラスに考えられる人もいますが、中には、「どうやって友達を作ればいいのだろう」と、マイナスに考える人もいます。
◇
「先生、これは病気でしょうか」
先日、外来にいらした方は、「毎年、春になると気分が
冬から春に季節が変わる時期、さまざまな訴えをされる方が外来におとずれます。気分が滅入る、おなかを壊しやすい、昼間の眠気など、身体の不調を訴える方々です。
今回のこの方を診察させていただくと、腹直筋が緊張してピンと張っていました。「そんなに身構えなくてもいいですよ」と言いながら、診察を続けます。今度は、みぞおちあたりに、軽い抵抗を手のひらに感じました。「なるほど、なるほど」と、ひとり納得しながら、診察を終えました。
「あなたにとって、春は大きな負担になったのですね」。わたしは説明を始めました。
土の中から草花が芽生え、冬眠から生き物が覚める季節、わたしは人の身体も大きく変わると考えています。冬の間、縮こまっていたものが、春になって大きく伸びをするとき、身体の調子も大きく変わり、精神的にも肉体的にも、負担になると考えています。
三寒四温、この時期は気候も安定していません。気圧の変化に身体がついていけないことも、原因の一つだと思います。
こんなときに、漢方医学では、「
目に見えない「気」というものが、うまく身体の中をめぐっていないために身体の不調が起きているという考え方です。この場合、「気」を春の時期にあった状態にすることが大切です。
わたしは、この方に人参湯(にんじんとう)をお出ししました。この漢方薬は、胃薬として用いられるものです。
どうして、「気」の病に胃薬を使うのでしょうか。それは、元気を取り戻すには、胃腸が丈夫で、食事をしっかりととらなくてはならないからです。食欲が増し、体力がつくことで気力も充実し、「気」が身体の中をめぐり、春にあった身体にしてくれるわけです。
この方は、2週間後、元気な笑顔で診察室に入ってこられました。「これまでひとりで悩んでいたのは、何だったのか。もっとはやく相談に来ればよかった」と笑いながらお話しになりました。
みなさんは、春をうまく迎えられているでしょうか。体調がすぐれなかったり、気分的に落ち込んでいたりしませんか。そんな時は、ひとりで悩まず、近くの医師に相談してみてください。そして、春をうまく過ごす手立てをいっしょに考えましょう。
春をうまく過ごすことが、一年をうまく過ごすことにつながります。
4月4日は、「あんぱんの日」だそうです。明治8年(1875年)のきょう、明治天皇にあんぱんが献上されたことに由来しているそうです。
あんぱんの中身は、「
小豆は、昔から日本の食卓を飾る一品として重宝されてきました。お祭りや誕生日に、赤飯を炊き家族でお祝いをしました。また、お汁粉にしたり、ようかんにしたり、甘いものとしていただきます。わたしが育った名古屋の喫茶店には「あずきサンド」があります。
このように小豆は、日本全国で食べられています。しかし、中には、小豆にアレルギーをお持ちの方もいらっしゃいますので、注意が必要です。小豆を食べると口の中がかゆくなる、じんましんがでる、呼吸が苦しくなる、などの症状があらわれることがあります。これらは、アレルギーに共通の症状です。花粉症もアレルギーの一種です。
食べ物にアレルギー反応を示すことを食物アレルギーといいます。食物アレルギーを持っている人は、小さな子供で約5%です。大人になると食物アレルギーは、だんだんと少なくなっていきます。
食物アレルギーの原因としては、鶏卵、牛乳、小麦、甲殻類、果物類、そばなどですが、小豆などの豆類にアレルギーがある人も、意外に多いといわれています。
小さな子供に多い食物アレルギーですが、根治する治療法はあるのでしょうか。残念ながら西洋医学では、原因となる食材をできる限りさける方法しかありません。
しかし、漢方医学で行う子供の治療の中には、食物アレルギーに対する治療法があります。漢方医学では、子供の腸内細菌を調節することで、食物アレルギーを治していきます。このとき使われる漢方薬が、建中湯(けんちゅうとう)類です。建中湯類は、「おなかを立て直す」クスリのひとつです。
このように西洋医学では治療方法がない病気も、漢方医学に治療方法がある場合もあります。「医師から治療法がない」といわれてしまった場合も、「どうせ、治らない」とあきらめずに、漢方医学の医師に相談してみてはいかがでしょうか。漢方医学は、多くの悩めるみなさんのお役に立つと思います。
みなさんは、春の野菜、楽しんでいますか。
土の中から、ひょっこりと顔を出す芽。春になると、たくさんの新芽が出てきます。タラ、
キャベツ、タマネギ、ごぼうなど、最近では1年中食卓にのぼる野菜たちも、旬の季節は、「春」です。
先日、ある八百屋のおかみさんは「どんな野菜でも、一年中あると思っている人が多くなったの」と話していました。最近は、季節にかかわらず野菜の有無をたずねる人が、増えてきているのだそうです。夏野菜の代表選手であるトマトやキュウリも、一年を通して手に入る野菜になりました。
しかし、これでいいのでしょうか。
漢方医学では、季節に合わせた治療を行います。その季節に手に入るものを使って、体調管理を行っていきます。それぞれの季節に採れる野菜には、意味があります。
春は、季節の切り替えの時期。体調を崩しやすく、肉体的にも精神的にも負担が多い時期です。この季節は、体の中から栄養補給が必要です。まずは、
夏は、暑い時期です。直射日光に当たり、ばてているからだは、日射病にならないように水分を欲しがっています。水分をたくさん含んだキュウリやトマトが必要になります。とうがん、スイカなども大切な水分補給の源になります。夏の暑さを吹き飛ばし、ほてった体を冷やし、水分を豊富に含んだ夏野菜は、まさに夏のためのものです。
秋は、冬に向けて準備をする時期です。動物たちは、冬眠に向けて、いろいろな食べ物をたくさんとることで、厳しい冬を乗り切ろうと走り回ります。栄養価の高い秋野菜は、色も濃く、栄養価に富んでいます。
冬は、寒い時期です。どうしても運動不足になり、家の中に閉じこもることも多くなります。繊維質豊富な根菜類が多い冬野菜は、胃腸の動きも悪く便秘気味になりやすい時期に最適です。
このようにして、それぞれの季節に合わせて旬の野菜を取ることで体調管理ができるわけです。ぜひ、みなさん、春の息吹を楽しんでください。色の鮮やかな春野菜を積極的にとることで、1年を通して健康で元気な体づくりをするようにしましょう。
みなさんは春分の日をどうやってすごしていますか。この時期、満開となる桜の花は、卒業式や入学式などいろいろな思い出と重なります。わたしも、淡いピンク色をした桜の花びらをたくさん集めて、遊んだ記憶があります。
しかし、桜の時期は、花粉症の時期にも重なります。日本人の4人に1人は、花粉症だと言われています。わたしも花粉症対策に、余念がありません。
花粉症の人にとって、暖かい気候の中で、マスクを付けての外出は、わずらわしくて、どうしても外出がうっとうしくなってしまいます。
しかし、怠ってはいけません。しっかりマスクを付けて鼻と口から花粉が入ってくるのを防ぎます。そして、眼鏡をかけて、目に花粉が付くのを避けます。さらに、耳からも花粉が入る可能性がありますから、ここも防御しなくてはなりません。イヤホンなどで、花粉が耳の穴からはいってくるのを防ぎます。
例年よりも飛散量は少ないと言われていますが、それでも、外出時は花粉が付きにくい上着を選んだり、洗濯物を家の中で干したりと、細かい注意が必要になります。みなさんも、いろいろとご苦労されていることでしょう。
よく、「花粉症に効く漢方薬は、ありませんか」と聞かれます。
「西洋薬を飲むと眠くなってしまう」「胃に負担がかかる」など、漢方薬に救いを求める人がいます。中には、副腎皮質ホルモンを含んだ薬の副作用が怖いと話す方もいらっしゃいます。
そこで、漢方薬の出番です。花粉症治療の手順は、昔から「先表後裏(せんぴょうこうり)」にのっとって行われます。「先表後裏」とは、まず表面に表れている症状を治療していきます。その後から体の中にある問題を解決する、というものです。花粉症でみられる鼻水、目のかゆみなどは、「表」の症状ですので、こちらをまず先に治療していきます。その後、花粉症体質と言われる「裏」の問題を解決していくのです。
「表」の症状に合わせて、よく使われる漢方薬は、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。小青竜湯は、鼻水がよくでる人に使われます。鼻がつまる人には、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)です。ただ、高血圧症、甲状腺機能
「裏」の花粉症の体質を改善したい場合は、胃腸の状態を中心に治していきます。ストレスがかかると胃が痛くなる人もいれば、下痢になる人もいます。体質は、一人一人異なりますから、時間をかけてコツコツと立て直す必要があります。春夏秋冬を通して、体の調子をお聞きしながら、調整していきます。
最近、スギ花粉症の治療法として、「経口ワクチン」が認可されました。花粉症の時期を除いた日は、毎日、ワクチンを口に含むだけの治療法です。減感作療法の一つとして行われますので、アナフィラキシーショックなどを注意する必要がありますが、体質改善が期待できる新しい治療法です。この「経口ワクチン」は、花粉症治療の新しい1ページを開いたと感じています。この新しい治療法が、花粉症に悩む多くの人たちの苦しみを取り除いてくれると期待しています。
みなさんは、ホワイトデーにどんな物をプレゼントされましたか。
このホワイトデーは、日本で生まれた記念日です。バレンタインデーにチョコレートをもらった人が、お返しにアメやマシュマロなどのお菓子、アクセサリーを贈る日とされています。なかには、ホワイトデーをきっかけに、大きく人生が変わった人もいるでしょう。この日本から発信された習慣は、東アジアの各国へ広がっているそうです。こんな話を聞くと、なんだか少しうれしくなりますね。
さて、甘~いアメが、漢方薬にも使われていることをご存じですか。
「良薬は口に苦し」といいますので、どうしても飲みにくい印象のある漢方薬ですが、アメが入っている漢方薬は、口に含むと甘さが広がり、大変飲みやすくなっています。子供たちにも喜ばれる漢方薬です。
アメのことを膠飴(こうい)と呼びます。この膠飴が入っている漢方薬は、建中湯(けんちゅうとう)という名前がついています。「おなか(中)をなおす(建て直す)くすり(湯)」という意味で、消化器系の病気に使います。
他にも甘みの強い「ナツメ」が含まれている漢方薬もたくさんあります。「ナツメ」は、大棗(たいそう)と呼ばれています。大棗もまた、胃腸の状態を良くして、体を丈夫にする漢方薬に使われています。
さらに、梅干しやたくあんの甘みを付けるために使う甘草(かんぞう)も、漢方薬に使われています。甘草は、漢方薬の約70%に使われており、筋肉の緊張をほぐしたり、炎症を抑えたりする作用があります。甘草から抽出されたグリチルリチンは、アレルギーや慢性肝炎の治療にも使われています。
膠飴、大棗、甘草といった漢方薬の材料は、単に漢方薬の味付けとして使われているのではなく、それぞれに役割を持っています。さまざまな薬草をうまく組み合わせることで、ひとつの漢方薬が出来上がっています。その組み合わせの妙こそが、漢方薬の秘密だと言えるでしょう。
ホワイトデー、どうかすてきな出会いがありますように、心からお祈りしています。そして、みなさんが、甘い甘い漢方薬で、健康で元気な毎日を過ごされますように。
みなさんは、胃カメラの検査を受けたことがありますか。
「胃カメラは、つらい検査だ」「あれは、苦しい検査の代表だ」との評判を耳にします。原因は、いろいろあります。胃カメラが、たいへんな検査だと聞いて身構えてしまうため、検査の前に行うのどの麻酔が不十分なため、のどの反射が人一倍強いため、といくつもの理由が考えられます。
しかし、胃カメラの負担は、検査する医師の技量と裁量によって、大きく変わるものです。
胃カメラは、いかに安全に行うか、ばかりでなく、病気を診断し、小さな病変も見落とさないようにすることが求められます。内視鏡医は、蛇のようにクネクネと曲がる胃カメラを巧みに操る技術と正確な診断能力が求められるわけです。
こんな胃カメラを少しでも楽に、負担なく受けるためには、どんなことに注意をすれば良いのでしょうか。
ひとつは、検査前に胃の中に食べ物が残っていないように注意することです。検査の前日から、消化しやすいものを選んで食べる必要があります。夜遅くまで友人とお酒を飲んでいたり、おなかいっぱい食事をとったりすることは、避けるべきです。
もし、胃カメラの検査前日に、胃の負担を減らしたいのなら、茯苓飲(ぶくりょういん)という漢方薬を使うといいでしょう。茯苓飲は、胃の緊張を和らげ、胃に残っている食べ物を早く消化してくれます。
検査当日、緊張して心臓がドキドキして仕方がない場合は、早い時間に抑肝散(よくかんさん)をお湯に溶かして飲んでおくといいでしょう。抑肝散は、神経を和らげ、緊張を解きほぐしてくれます。
前立腺肥大症や緑内障を持っている方は、胃の反射を抑えるための薬が使えない場合があります。そのときは芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を使うと、胃の中をきれいに観察することができます。
芍薬甘草湯は、胃の筋肉を
わたしは、この20年間、毎年500例以上の患者さんの胃の中を拝見させていただいています。わたしが胃カメラの研修を受けた25年前と比べると、ブラウン管に映る景色は、ハイビジョン画像になり、性能は大きく改善しました。きれいな色をした胃、暴飲暴食のために荒れた胃、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染した胃、と様々な風景がカメラの前に広がります。
「評判の悪い胃カメラ」ですが、ほんの小さな病気も早期に発見することができます。日本が世界に誇る胃カメラを、ぜひ、みなさんに積極的に受けていただけるように、わたしたちも努力しています。世界の最先端技術を持つ日本の胃カメラと日本の伝統医学である漢方医学を合わることで、「安心して安全な胃カメラ」を提供することができると考えています。
みなさんは魚の小骨を、どうしていますか。先日、いつもお世話になっているお
隣で
わたしも、小さな骨はよく
「小さい頃、両親から硬い骨もよく噛んで食べるように、教育されました」と常連さん。わたしが特に感心したのは、その歯と顎です。
硬いものも噛み砕くことができる丈夫な歯は、1日では出来上がりません。長年にわたり歯の手入れをしっかりとしていたのでしょう。顎の力も同じです。何度も噛むには、あごの筋肉がしっかりしている必要があります。毎日の積み重ねがあってこそ、できることだと心から感激しました。食事を大切にする家庭に育った常連さんは、若々しく元気にお見受けしました。
最近の食材は、食べやすく栄養価に富んだものが多くあります。簡単に食材が手に入らない時代には、ひとつひとつの食材を大切にいただく工夫と心構えが違っていたのでしょう。食材を大切にする気持ちが、子供の教育にもしっかりと根付いていました。
「8020(ハチマルニイマル)運動」は、1989年より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。健康維持のために、そして食事を楽しむためには、丈夫な歯と力のある顎が必要です。
しかし、もしも歯痛になったら、漢方には立効散(りっこうさん)があります。内服するばかりでなく、立効散をお湯に溶いて口の中をゆすぐと、痛みが消えていきます。同じように、口の中の痛みの原因となる口内炎の治療も、漢方薬が役立ちます。黄連(おうれん)が含まれた漢方薬には、口内炎の痛みを和らげてくれる作用があります。次の表をご覧ください。
| 歯痛 |
立効散(りっこうさん) |
|---|---|
| 口内炎 |
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、 |
日本は四方を海に囲まれた国です。昔から海産物に恵まれ、皆さんの食卓も、魚介類を使った料理が、楽しい時間を演出してくれていると思います。何歳になっても食事を楽しむために、ぜひ、自分の体の手入れをする習慣を身につけてください。毎日の積み重ねによって、健康で元気な体を手に入れることができます。
今年の大雪で、関東地方などでは交通機関が
思いもよらない自然の力に、日頃、当たり前と思っていたことすらできなくなってしまいました。「朝、起きたら雪が積もり、扉が開かなかった」「雪の重さで建物が壊れてしまった」「雨用の靴ではすべってしまい、転んでしまった」――。これまでとは違うスケールの大雪を予想できなかったわたしたちは、自分たちの危機管理能力を試されているかのようでした。
そんな中でも、子どもたちだけは、真っ白な雪を透き通ったまなざしで眺めていました。降り積もった雪の中にジャンプしてみたり、大きな雪だるまを作ったり。忘れられない楽しい思い出になったと思います。
わたしは、今回の大雪でこんな発見をしました。それは、外来にいらっしゃった患者さんのお話の中に潜んでいました。
「いつも、雨の前になると体調が悪くなります。今回、最初の雪の前は大丈夫だったけれど、2回目の雪の時は、体調が悪くなったんです」とのこと。
最初の大雪は2月8日、2回目は14日。どちらも天気図では低気圧前線が太平洋側を通りました。
2回とも同じように体調が悪くなるのでしたら、原因は低気圧と考えても良いでしょう。しかし、最初の時は大丈夫で、2回目は駄目だった、というのはなぜでしょうか。
わたしは、以前から、低気圧前線が通る時には、頭痛やめまいがする方がよくお見えになることから、頭痛やめまいと気圧の変化には、関係があると考えています。しかし、気圧の変化だけではなかったようです。
今回の大雪を振り返ってみましょう。最初は、サラサラの雪が東京を覆いました。湿気が少なく、風で飛んでしまうような軽い雪でした。しかし、2回目は水分を多く含んだ雪でした。木々の枝を折ってしまうような重たい雪でした。
同じ雪でも性質が違いました。軽い雪には水分が少なく、重い雪には水分が多く含まれています。この水分の違いが、症状の違いになったのだと考えます。最初の雪は、気圧の変化だけでした。この患者さんは、気圧の変化だけでは、体調に影響がなかったのでしょう。しかし、2回目の雪では、気圧の変化と水分の変化があったために、体調が崩れてしまったのです。
気圧の変化による頭痛やめまいに使われる漢方薬は、呉茱萸湯(ごしゅゆとう)です。片頭痛や冷えからくる頭痛に用いられます。気圧の変化ばかりでなく、湿気など水分の異常による頭痛やめまいには、五苓散(ごれいさん)です。からだのむくみにも用いられます。
気候の変化が、みなさんの体の調子にも影響することがあります。日々の生活を健康に過ごすためには、気圧の変化ばかりでなく、気温や湿気など、自然といかにうまく付き合っていくかが大切になります。難しい自然の変化への対応を漢方医学で理解し、毎日をより良いものにするばかりでなく、急な異常気象にも、落ち着いて対応ができるようになりたいものです。
きょうはバレンタインデーです。
あなたがいただいたチョコレートには、愛が詰まっていますか。義理チョコや友チョコにも、ほんの少しでも気持ちが込められていればチョコの味もひと味違ってきます。
昔、チョコレートは貴重品でした。栄養価にすぐれ、多くのミネラルを含んでいるカカオ豆は、薬として使われていた時代もあります。ポリフェノールも豊富に含んでいるカカオ豆が、チョコレートの原料です。このチョコレートの作用として、よく知られている成分が、カフェインです。カフェインは、コーヒー、緑茶、ウーロン茶にも含まれます。カフェインの効果は、利尿作用や交感神経興奮作用など、眠気を覚ます作用もあります。
おいしいチョコレートも、食べ過ぎると体に負担がかかります。というのも、チョコレートには30~40%の脂質が含まれていますから、食べ過ぎるとカロリー過剰になります。バレンタインデーにたくさん、チョコレートをもらった方は、食べ過ぎに注意してくださいね。
健康のために、チョコレートを生活にうまく取り入れると良いと思います。最近では、カロリーを減らすために、砂糖の量が減らしてあるチョコレートも売られています。「ブラックチョコレート99」は、1%の砂糖しか入っていませんので、低カロリーです。
昔から「良薬は口に苦し」といいます。私のクリニックに来られる方の中にも、漢方薬の味が駄目で内服することができないとおっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。そんな時わたしは、漢方薬とチョコレートを一緒に内服することをすすめています。
せっかく、漢方薬が治してくれるとわかっている病気も、しっかりと漢方薬を内服していただかなければ病気を治すことができません。いかに漢方薬を内服してもらうか、いろいろな工夫がされてきました。
漢方薬の味の中で、一番、評判が悪いのが苦みです。わたしがすすめている内服方法は、本当に簡単なものです。それは、漢方薬と一緒にチョコレートを食べたり、漢方薬をコーヒーで飲んだりすることです。すると驚くほど漢方薬が飲みやすくなります。漢方薬にチョコレート、コーヒー、ココア、抹茶などの「苦みには苦味を組み合わせる」と、不思議なくらい、漢方薬の味が消えてくれます。病気で口の中があれてしまい、食欲もなくなっているときなど、
「漢方薬が飲みにくい」とおっしゃる方や小さな子供たちの病気を治すために、チョコレートが大活躍します。
冬季オリンピックが開催されます。開催地ソチには、世界中から感動と興奮を期待された各国の選手たちが集まっています。現地にいる日本人選手も大会に向けて体調管理に余念がないと思います。
ソチの寒さは厳しいと思いますが、みなさんは冬の健康管理をしていますか。この時期、指先が
昔、祖母が冬になると靴の中に
同じような作用は、ハッカにもあります。しかし、ハッカの作用は、冷たく感じるように知覚神経を刺激しますから、冬場には歓迎されません。どちらかというと夏場に重宝されます。
医療でも、このような自然界の力を借りて、健康を管理します。運動の後の筋肉疲労に、熱を持った筋肉を冷やす目的でハッカの成分を使ったり、固まってしまった筋肉を温める目的で唐辛子の成分を使ったりします。
よく唐辛子で味付けをした料理を食べた翌日、お尻が痛くなることがあります。これは、お尻に唐辛子が作用しているからです。しかし、唐辛子をたくさん食べてもおなか中が熱くなることはありません。これは唐辛子の作用が、口から胃までは温めてくれますが、小腸から大腸を温めることは難しいからです。
寒い時期に体の中を温めるには、唐辛子よりも、
手足の冷えに使われる漢方薬は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅうゆしょうきょうとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)などがあります。残念ながら、どの漢方薬にも唐辛子は使われていません。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、しもやけの方には第一選択薬となります。また、女性で冷房による体の冷えからくる腹痛などにも使われます。
八味地黄丸は、加齢に伴う体の冷えに使われます。白内障や前立腺肥大症などの症状をやわらげるときなど、広く使われます。
桂枝加朮附湯は、肩こりや神経痛に使われます。上半身の痛みに使うことがあります。
これから始まるソチ・オリンピック、日本はいくつメダルを獲得するのか、楽しみです。そして、6年後には、東京でオリンピックが開催されます。東京オリンピックを健康で元気に楽しむためにも、いまから漢方医学の力を使って、体のメンテナンスをされてはいかがでしょうか。